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タケノコさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 575
性別 男性
年齢 50歳
自己紹介 管理人さま、レビュアーのみなさま、いつもお世話になっております。

タケノコと申します。

みなさまのレビューをとても楽しみにしています。
( まるで映画のように、感動し、笑い、ときに泣きます )

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1.  さよならみどりちゃん 《ネタバレ》 
予想した通り、ユタカ (西島秀俊) ばかりに非難が集中してるけど、、 ゆうこ (星野真里) は、ユタカが人間性が破綻したクズ男であることを承知して、それ全て含めて彼が好きだ、、と向き合っているわけだから、言うなれば自己責任であり「連帯責任」だ。だから、どちらが良いも悪いもないし、また、それを言うべき映画ではない、と思う。それよりは、この映画はいったい何がテーマなのか、をよく考えるべきだ。 私が感じたのは、この二人は根本的にはよく似た者同士だと思う。 まず、誰彼かまわずにセックス依存症なところなどそっくりだ。 そして、最後の「14番目の月」を聴けば、二人とも、壮絶な音痴だということに気づくはずです。(ユタカは、ルパンザサード、あれね) ここで面白いのは、ユタカは、まともな歌を知らないし、選ぶことすら、できない。そして、自分が壮絶な音痴であることに全く気づいていない。 ゆうこには、自分の歌がある。しかし、自分が壮絶な音痴であることを知っていて、歌うことをためらっていた。 つまりこの映画は、二人の "恋" の感性を、それぞれの "歌" によって表現しているのです。そして、もう一つ、全力で歌うことに大きなメッセージを込めている。うまいへたなんてどうでもいい、自分が好きな歌を好きなように歌え、他人の評価など気にするな。歌うこと (恋することも) 、、それはあくまで "主観的" なものだから。だから、例え不器用で下手くそでも、自分らしく歌おう (恋をしよう) 。 それで傷ついた痛みも含めて、歌うこと (恋すること) が素晴らしい、、と、この映画は言っている。
[DVD(邦画)] 7点(2024-05-06 11:19:24)
2.  福耳 《ネタバレ》 
これは掘り出し物。 山田洋次監督作品の常連組が多いからだろうか、平成の真っ只中に製作された映画でありながら、まるで昭和の映画を観ているような、よい意味での懐かしい空気がありました。ドタバタコントのような演出の数々も、いかにも「昭和」って感じ。 しかし、本作を平成の映画としてハッキリと認識させてくれるのが、やはりクドカンさんの存在。名脚本家として名を馳せる以前に、こんなハートウォーミングな映画に出ていたのですねえ、、。 そして偉大なる名脇役、田中邦衛さん。かつてない幽霊役に果敢に挑み、慣れないパソコンで株を注視しつつ、あの世から愛する人をストーカーするお姿は、実にあなたらしくなかったけど (笑) 、その数多い出演作の中でも、私にとって一際心に残る役どころでございました。 思えば、北海道は羅臼の海で彼の遺灰を撒くという脚本は、「北の国から」の名優に対する制作者たちの心遣いを感じさせるものでした。 その名優もお亡くなりになって早や二年、、きっと今頃、相棒の高倉健さんと天国で酒でも飲んでおることでしょう。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-05-06 10:58:54)
3.  長い散歩 《ネタバレ》 
主演は名優の緒形拳さん。 年老いても凜とした存在感は健在であり、孫のように幼い娘と歩くその姿だけでも、充分に惹きつけられるものでした。本作公開からまもなく亡くなられたので、まるで羽をつけた天使に天国へとエスコートされているように、見えなくもなかった。 親の虐待と育児放棄から子を救うために、赤の他人が連れ去ってしまう・・。犯罪的行為を犯罪的行為で阻止するわけですが、目の前で困っている子を見過ごしておけない、、こういう人徳は尊重されるべきものだと思うし、老人はうまいやり方を知らない「不器用男」そのもので、自作の覆面と竹の棒で懲らしめるお姿はなぜか笑えてしまうような部分もあった。 二人の刑事 (デカ) が登場するけど、やる気も空回りして、ちょっとドジなところ、、昔のバディもの刑事ドラマのような味わいがあってよかった。こういった事案では、警察は初動も遅く肝心な時に頼りになりません。でもそれは組織やルールとしてのことであり、彼らも、それぞれ情熱や正義感はある。そういう意図があったとは思う。 なお、今や名女優の安藤サクラさんがウェイトレスの端役にて長編映画デビュー。彼女の父であり、本作の監督でもある奥田瑛二さんによる推しの抜擢、と察します。本作のテーマである、親の「育児放棄」とは裏腹に、ここでは親の過保護をまざまざと見た気がいたします。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-03-12 22:13:59)
4.  暗いところで待ち合わせ 《ネタバレ》 
2006年の映画ですか、、。あの田中麗奈ちゃんが、なっちゃんの面影を残しつつ、すっかり大人っぽくなっておりました。ストーリーは火曜サスペンス調ですが、彼女のフォトジェニックな存在によって最後まで飽きることはなかった。 映画としては、主に「家」が舞台。しかし、全盲者が一人で暮らすことにより目が離せないドラマになるし、そこにアキヒロが潜むことによりサスペンスを生む。 もう一つの舞台として駅のホームがあり、時間、目線、構図をいくつか変えることにより、やはりたくさんのドラマがありました。このあたりこそ、映像化した意義があるのではないだろうか。 そして、公園で歩き出すラストは際立って美しく、実に後味の良い終わり方となっていた。 目の見えない女と闇を抱える男が、暗いところで待ち合わせ、そして二人は明るい未来へ・・・。 観終えてみて、うまい題名だと思った。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-03-05 23:21:38)(良:1票)
5.  百万円と苦虫女 《ネタバレ》 
鈴子 (蒼井優) による、自分探しの旅、というよりは、傷心癒しの現実逃避旅。 視聴者によって、映画のテーマ自体の受取り方が分かれそうな内容なので、あえて本作をジャンル分けするとなると難しい。なんせ、このサイトですら "ドラマ" としか書いていないので、やはりジャンル分けすることを放棄しているようだ (笑) しかし、(心が) パンク・ロックな感じの鈴子がいて、彼女の旅と出会いがある、、だから全く退屈はしません。 もともと、マイナス思考やネガティブな考え方を (個性として) 肯定すること、そこがテーマにありそうですが、好きな娘を引っ越しさせないためにその娘から金を借りまくる、、って、これは斬新でさすがに思いつかない考え方だなあ~、卑屈すぎるが (笑) 海で山で地方の街で、それぞれ恋の始まりを予感はさせる、でも始まることなく、サヨウナラ、、。先に進まない (=プラスにならない) 、このもどかしさも、この映画らしくていい。 彼女が最後にたどり着いたのは、海も山も、おそらく観光名所もない地方の街。この平凡な街の、どこか行き詰まったような閉塞感がまたよかった。
[DVD(邦画)] 7点(2024-02-16 23:06:26)
6.  ひゃくはち 《ネタバレ》 
まず、出演者たちが確りと野球をこなしており、全く芝居に見えないことが驚愕ですが、本当に秀逸なのは、彼らのノリとか、彼らが醸し出す雰囲気そのもの。実を言いますと、私が高校在学中に、わが校の野球部が甲子園に出場しておりまして、当時のヤツらったら、まさに本作のようなヤツらだった (笑) こういう、わざとらしくない雰囲気を (正確に) 作り出せるのは、監督の手腕によるところが大きいと思います、はい。たまに合コンとかあってもさ、365日も野球漬けだからファッションなんぞ知らん、だから服装はダサいんだ、それでいい。 ところで本作、甲子園を目指す高校野球の強豪校、そのベンチ入りのはざまを彷徨う球児が二人、彼らは親友であり、いつしか最後の一枠を争うライバルへとなる・・。何だか、書いてるだけで胸が熱くなるお話でしたが、なぜか私は、弁護士を志して退部した彼のエピソードに心を (カキーン!と) 打たれました。なぜって、本作は夢見る補欠の物語ですが、「退部者」の描き方にも愛を感じたから。野球から逃げたのではなく、別の夢を追うことにした、、という、彼を敗残者にしないところに優しさを見ました。 ちなみに、「ひゃくはち」って、硬式球の縫い目と人間の煩悩と除夜の鐘、の数。 "甲子園" が持つ狂信的な求心力と、頭を丸めて来る日も来る日も (野球という) 修行に励む高校球児たちの姿。その関係はどこか宗教じみたところがあるので、なかなか奥深い題名なのかと。 最後にどうでもいいことだけど、野球少年が神社にいらっしゃると「耳をすませば」のカントリーロード、聴こえてきそうでした (笑)
[インターネット(邦画)] 8点(2024-02-06 22:39:56)
7.  わたし出すわ 《ネタバレ》 
この不可解なストーリーは何かを意味するのか? それが問題でしょう。 まず、いらないほど溢れた「お金」ですが、その全盛期が80年代の森田芳光監督だけに、私は勝手にバブル景気を連想しました。あの頃、お金をこう使えばよかった、、そういう自分自身への「自戒」がありますかね。バブル崩壊とともに下降線をたどった監督でもあるので。 マラソンランナーのエピソードは、絶頂の時はもてはやされ、走れなくなると見放される、、これはご自身の監督人生を投影してるのかも。 研究員のエピソードは、彼が新しいことに挑戦する終わり方だし、空と太陽とキレイな海が見える "希望" を連想させる描写が多いので、ご自身にとってのこれから、として、これはそのまま受け取るべきなのかと。 上記以外、あまり強欲だとこうなりますよ、、というエピソードの数々はわかりやすいですが、このあたりはむしろ、もともとハードボイルドな作風でもある監督の一面 (こだわり) を垣間見た気がしました。 全体的に、人間の体温を感じさせない無機質な雰囲気ですが、マラソンランナー宅では母さんの手料理の数々がホッと温かくて、そういうギャップは面白かったと思います。 なお本作には (非公式で) 続編があり、この後で小雪は舞台を函館から札幌ススキノへと移し、高級クラブの美人オーナーママになるわけです。(探偵はBARにいる) お金、、たくさん残しといたのね (嘘)
[DVD(邦画)] 6点(2024-01-23 22:15:21)
8.  眉山 《ネタバレ》 
うわあ、点数低いな・・。俳優の演技と「眉山」という舞台設定はとてもよいのに、いったい何が理由でここまでの低評価になるのか、ちょっと考えてみたい。 やはり、その最大の理由は脚本であり、テーマである「献体」そのものだと思えます。あまりにも重すぎる題材ゆえに、何も知らずに、阿波踊りの映画、母娘それぞれの純愛モノ、、そのつもりで観ていたら、え~ そんな話だったの? ってなりそう。その、お龍さん (宮本信子) がなぜ献体にこだわったのか、その理由も不明瞭で、映画では特に語られませんし、、。原作ではどうなんでしょう? 咲子 (松嶋菜々子) は母親が余命わずかだというのに、自分だけはハンサムなお医者さんとお幸せになって、そのあたりも癇に障ったのかもしれません。 徳島県民の魂たる「阿波踊り」で、ズケズケとしゃしゃり出た個人にスポットを当てるのも、ついでに癇に障ったのかもしれません。(また言っちゃった) あと個人的には、お龍さんに怒鳴られた若い看護師さん、彼女が改心する様子を描いて、お龍さんと和解をさせてほしかったかな。 おっと、、ここまでにしておこう。 夏八木勲の (静かな) 名演技と、久しぶりに宮本信子節の啖呵が見れただけでも、私は良かったな。ミンボーの女、思い出しちゃった。 眉山の風景も、美しかった。
[DVD(邦画)] 6点(2023-11-27 22:59:29)
9.  それでもボクはやってない 《ネタバレ》 
不運がこれほど恐ろしいとは。これは、ショーシャンクの有名な台詞です。 いくつか、感じたことを書きます。ネガティブな内容ばかりになります。 まず、ギュウギュウ詰めで検察に移送される被疑者たちの絶対数に対して、圧倒的に警察・司法側が要員不足だと感じた。金子 (加瀬亮) の対処にあたった者たちだけを見ても、警察官 (大森南朋) → 当番弁護士 (田中哲司) → 検事 (北見敏之) 、この一連の流れは、さっさと自分の仕事を終わらせたい感がアリアリで、まるで膨大な量の物を取り扱う工場の「流れ作業」のような印象だ。 痴漢被害者の女性は、心の傷が癒えぬまま法廷に駆り出されて、好奇の目にさらされています。思い出したくもないことを、大勢の前で発言させられます。この扱いは痴漢にあうのと同等なくらい屈辱的ではありませんか。 肝心の裁判では、リリーフの裁判官が思い描いた出来レース通りに終了 (閉廷) 。誰も、裁判官にはものを言えない。 もちろん、この誤認逮捕から判決に至るまで、関係者たちのお給料を含めてたくさんの税金がここに使われ、そして最終的に、当の真犯人は今だ野放しという、とても素晴らしい茶番劇でございました。 金子は誠実な男でした。だから、親や親友、証言のために戻ってきたOL風の女性など、多くが彼を助けようとした。こうして、人が窮地に陥った時こそ "人間性" がものを言うはずですが、そんなものは国家という巨大権力の前では無力である、、それがこの映画の答えになります。 国家権力、万歳!! である。ついでに、満員電車でもバンザイだ。痴漢にされたくなかったら、両手をいつも上げておけ。 以上。
[DVD(邦画)] 7点(2023-09-13 22:44:42)
10.  川の底からこんにちは 《ネタバレ》 
佐和子 (満島ひかり) は、それなりにかわいい娘だと思うし、フラれ続けて連敗中とは言え、ある意味では男性にモテる、ということ。そして、零細企業とは言え、社長令嬢 (笑) でもある。私からすれば、"中の下" どころか、十分に "上の下" あたりだ。 ところで、本作で特に注目したいのは、登場人物たちによる彼女の評価 (コメント) が多いこと。例えば、冒頭の庶務課のお局さんお二人。世情や、佐和子の人生にはやたらとコメントするが、自らの残念な平凡人生には目を向けない。うだつが上がらない、バツイチ子持ちの彼氏もそう。飲んだくれの岩松オジサンもそう。稲川オバサンもそう。自己評価をしない、自分に目を向けない、他人を批判 (否定) することで自己満足、、佐和子ではなくて、彼女を取り巻くこういう人たちこそ、いつまでたっても "中の下" ではありませんか。しかし、その描き方には笑いとユーモアがあり、風刺の効いた喜劇調に仕上げるあたり、さすがは石井裕也監督。 一つだけ納得がいかないのが、シジミ工場のオバサン軍団、あの描写はいただけない。日本人は、組織とか集団に収まると、心情はともかく表面上はニコニコと友好的なフリをするもんです。いじめるにしても、ああいう、あからさま、ではなくて、嫌がらせしたり、もっとねちっこくやりそうな気がします。(女性ならとくに)
[DVD(邦画)] 7点(2023-08-15 15:26:29)
11.  シムソンズ 《ネタバレ》 
素晴らしい、、数ある青春系スポーツ映画の中でも、これほどの作品にはなかなかお目にかかれません。この映画はなんかこう、、キラキラとまぶしいのです (笑) その象徴がもちろん加藤ローサではありますが、およそ全ての登場人物たちが本当に魅力的でありました。 まず、和子 (加藤ローサ) にとってカーリングの目標であり、恋敵でもある美希 (藤井美菜) 。孤高の天才少女であり、例によって扱いづらい敵対キャラでしたが、彼女がチームメイトになるまでの心境の変化を確りと描写できているため、素人軍団のシムソンズ合流に不自然さがありません。 チームメイトのもう二人にも (もれなく) スポットを当てています。その二人が大ゲンカした後、菜摘 (高橋真唯) が家の外から大声で「ありがとう」と叫ぶあたりから、私はちょっと泣けてきて、その直後の場面、いつかの海辺でみんな結集して仲直りして、やっとこさシムソンズ結成、、ここの展開があまりにも完璧。「(五円玉の) 表? 裏? どっち!?」「・・・表!!」ここでついに涙腺が、うぅ、、(泣) また本作を語る上で、絶対にかかせないのが大泉洋さん。その存在感たるや、主演級、ですね。私はこの映画によって彼の存在自体を初めて知ったので、癖ありまくりの顔と声とキャラにかなり大きなインパクトを受けまして、以降、彼の出演作で本作の衝撃を超えるものはいまだに出会っておりません。(彼自身にとっても、意外と本作の平太がベストアクトな気がしてます) イケメン枠として田中圭、オジサン枠の松重さん、重鎮枠の夏八木勲さん、彼らも全て見事にナイスキャスティングであり、とてもカッコイイ。 あと全編に渡ってジュディマリの歌がよかったのですが、ここはBGMばかりではなくて、彼女たちが (鼻歌交じりに) 歌う、あるいはラジカセ (ラジオ) からながれてくる、、そういった映画的な試みがあってもよかったかもしれません。(実話ベースなだけに時代が合わないかな?) 周知のとおり、実在のカーリングチームをモデルとしていますが、これはこれで間違いなく映画として (彼女たちの) 一つの世界を構築していたので、オリジナルの傑作青春スポーツ映画としても評価したい。
[DVD(邦画)] 9点(2023-02-03 22:12:19)
12.  結婚しようよ 《ネタバレ》 
本作は「結婚」と「音楽 (吉田拓郎) 」という、二つの大きなテーマに絞ってコメントを。 まず、三宅パパが会社帰りに突然連れ帰ってきた、どちらかと言うと冴えない感じの青年に、美人長女が (なぜか) 一目惚れして、早々に結婚まで決めてしまう? ・・わからんでもないが、結婚するまでの過程は重要だし、もう少し説得力のある展開にしてほしいところ。それに、就職が決まっていながら、それを辞めてまで蕎麦屋に嫁入りする、という人生最大の決断をするにあたり、彼女の心境の変化とか、苦悩とか、絶対にあるはずなのに、どうしてそこを描かないのだろう。 三宅パパが頑なに家族全員でご飯を食べようとする理由、松方夫妻が不便でも田舎暮らしにこだわる理由、そのあたりも私には理解できませんし、色々と人物たちの掘り下げが足りなかったように思えます。全体的に、役者が熱演してはいますが、ストーリーとしては感動的なエピソードを羅列しているだけで、その脚本は杜撰である、と言わざるを得ません。 吉田拓郎さんの歌については、代表曲をたくさん聴くことができたし、これは満足でした。語り草となっている「つま恋2006」コンサートもよかったと思う。でも、本作最大のトピック (感動) が既存のライブ映像を流用したものでは、映画の作りとしてはちょっと残念な気がしますけど。
[DVD(邦画)] 4点(2022-12-22 21:26:23)(良:1票)
13.  ライフ・オン・ザ・ロングボード 《ネタバレ》 
あの名脇役の大杉漣さんが、主演で、しかもサーフィン映画にご出演されていたとは。 ストーリーとしては、定年退職から始まる、中年男性の再生物語。私自身も年齢を考えれば、明日は我が身、のお話だし、色々と考えさせられる内容ではありました。 そして、種子島の海 (風景) とか、若い頃によく聴いた「ザ・ビーチ・ボーイズ」の名曲の数々、そこはよかったです。 ただ残念なのは、肝心のサーフィンの描写です。稲村ジェーン、、じゃなくて、ポセイドンですか。やっとこさ、ボードに立ったばかりの米倉さんが、こういう大波にライドできるとは到底思えません。「彼が普通にサーフィンできるようになった」 彼のこれからの人生にとっても、この映画にとっても、これだけで十分だったのでは? 私から言わせてもらえば、ポセイドンの存在自体、まるっと不要です。むしろ、映画を陳腐にしています。 以下、全然ストーリーに関係ない余談。役の中で、小栗旬 (含む若手数名) が重鎮の大杉漣さんに散々タメ語で、その逆に大杉さんは彼らに敬語というお話。カメラ回ってないところで気まずいだろうな、とか、でも大杉さんいい人だから「役作り」でそのまま敬語なのかな? とか、まさか小栗旬はちゃんと敬語使っとるやろな? とか。そういう舞台裏を想像して、一人でニヤニヤしておりました (笑)
[インターネット(邦画)] 5点(2022-01-30 16:09:34)
14.  マーサの幸せレシピ 《ネタバレ》 
私的、完璧な料理映画の一つ。 ドイツ人のマーサ。美人でシェフとしても一流、でも料理に対するプライドが人一倍高くて、他人と衝突することを恐れません。しかし、こっそりとカウンセリングに通っていて、弱い一面も併せ持つという、とても人間味のあるキャラクターになっている。 イタリア人のマリオ。得意料理も仕事ぶりも、性格も、何から何まで、マーサと対象的。陽気な彼の登場によって、店 (厨房) の空気のみならず、映画自体の雰囲気が劇的に変わった。彼は、得意のパスタで、心を閉ざしていたリナの心も開いた。マーサも、そんな彼に魅了され、次第に心を開いていく。 二人のキスシーンは、いつになくロマンチックだ。そういえば、音楽も上品で美しい。調べてみたら、やはり女性監督だった。本作は、女性ならではの「美的感覚」が随所で感じられる。見て、聴いて、感じて、食欲どころか、「五感」を満たしてくれる、幸せな映画だ。 おいしい「料理」は人を喜ばせ、やがて人と人を結びつけていく。料理は、国籍やパーソナリティを越える愛と友好のキーワードだ。 さぁ、この素敵な映画をぜひみなさんも、Bon Appetit!! と、なぜか最後はフランス語で締めくくることにしよう。
[DVD(字幕)] 9点(2022-01-21 17:52:27)
15.  深呼吸の必要 《ネタバレ》 
沖縄の離島に集結したキビ刈り隊の面々。 主人公のひなみ (香里奈) は明るく社交的で協調性があり、優等生の学級委員タイプだ。だから私は彼女には興味が湧かない。 対象的に、他はどう見ても過去に「訳あり」な感じで、波乱の予感に期待は膨らむ。 すると意外にも、大ベテランの田所さん (大森南朋) が、空気読めない発言を連発して彼らを挑発しまくり、隊の雰囲気を乱していきます。 そしていよいよ、キビ刈りです。優等生同士 (ひなみと池永) 、問題児同士 (西村と川野) 、をペアにするという、意図不明な田所さんの選択もあり、思うように仕事は捗りません。 お楽しみのBBQでは西村と一触即発し、そして、ついには嵐の豪雨の中、車で家を飛び出し、大クラッシュ!!という、、。 一言だけ言わせてほしい。田所さん、、もしかして、足、引っ張ってる?? その田所さん (しつこい) 、これからも、長野のりんご、千葉の落花生、北海道のジャガイモに、日本全国一年中飛び回り、大忙しということだ。いや、彼がいるから忙しいのかもしれない (笑) そんな彼に、「もうケガするなよ、定職就けよ、住民税払えよ」と私は最後にエールを送ろう。
[DVD(邦画)] 8点(2022-01-21 17:40:53)
16.  のんちゃんのり弁 《ネタバレ》 
全体的に、意表をつく展開が面白かったと思う。 しかし、「お弁当」の映画としては、ちょっと期待ハズレでした。なぜなら、彼女が作るお弁当がどこに行っても絶賛の嵐で、あまりにもとんとん拍子にストーリーが進んでいくから。岸部一徳さんが彼女に一喝しましたが、そこは彼女の仕事に対する「考え方」についてのこと。娘に持たせるだけのお弁当、そこから「商品」としてのお弁当になるためには、ダメ出しされたり、多くの苦労やアイデアがあるべきですがそれはあまり見えなくて、独身女性の自立と仕事とお金、というテーマに特化した内容になっていました。 もちろん、彼女が料理をする、走る、泣く、ケンカする、、彼女の魅力が満載ではあるので、「小西真奈美」の映画としてはよかったと思うけど。 話変わって、小西真奈美さんの映画恋愛遍歴。 「blue」⇒ 村上淳 (既婚者) と不倫の関係。 「東京公園」⇒ 三浦春馬 (義理の弟) に恋心を抱くが、それは許されぬ恋・・。 「ミッドナイト・バス」⇒ 原田泰造 (バツイチ子持ち) と恋愛中だが、悩める彼と元妻と三角関係。 「のんちゃんのり弁」⇒ 岡田義徳とは離婚前提で村上淳と現在進行形という、ちょっとした三角関係。  小西真奈美さん、、たまには普通の恋をしませんか?(笑)
[インターネット(邦画)] 6点(2022-01-09 17:03:10)
17.  大阪ハムレット 《ネタバレ》 
人それぞれの、外見と内面の不一致、それを面白おかしく、切なく、時には人情的に描いた、大阪ハムレット。 テーマはズバリ、「人は見かけによらぬもの」と書いて、その心は、人と違って何が悪い!? (逆ギレぎみに) 三男の彼は性同一性障害で、これは最もわかりやすい。しかし、本作はLGBTの問題を議論する映画ではないので、あくまでテーマの一貫として。 二男くん。見た目はDQNだけど、愛読書はちょっと知的にシェイクスピアの「ハムレット」。 長男くん。パッとしないし、人一倍おとなしそうだけど、やる時はやるゼ、恋には情熱的なラテン系男子、でした。 次、大人たち。おじさん (岸部一徳) は何考えているのかわからんし、不気味。だけど、絶対にいい人だ。(と思う) 反対に要注意人物はお母さん (松坂慶子) かも。美人で人当たりよさそうだけど、突然妊娠したりして、男関係は絶対にハデだと思う (笑) あなたは、外見の印象だけで人を判断していませんか? 目の前にいる人のこと、本当に理解していますか? そういう映画なんだと思えます。 ん、肝心のハムレットのコメントがないな。ごめん、読んだことないからさ~。
[映画館(邦画)] 6点(2021-12-26 21:06:57)
18.  狼少女
2005年の暮れに、本作は「ALWAYS 三丁目の夕日」の大ヒットに隠れるようにして、テアトル新宿でひっそりと公開しておりました。 どちらも「昭和」という時代設定、という共通点がありますが、その再現度で言うなら、「狼少女」の勝ち。(圧勝) しかも本作は、ああいうVFXやCGに頼らずに、人と洋服と小道具 (ランドセル) 、学校 (教室) や団地といったロケーション、そして「夕焼け」だけで、ここまで昭和感を出すという優れモノ。やたらと、東京タワーを映せばいいってもんじゃない。ちなみに私は昭和50年代に小学生だった者ですが、当時の人や学校や街の風景 (空気) 、夕焼けの色、本当にこんな感じでした。 ストーリーとしては、この年代特有の「仲間はずれ」と、嘘と引っ越しと狼少女、のお話。なんじゃそれ? っていう感じですが、とにかくそんな感じ。冬の景色、そしてテーマ曲もよかった。 私が小学生のころ、気になっていた女の子が引っ越しをしたことがあり、そういう、大切な懐かしい思い出を私の記憶の中から少しだけ映像化してくれました。最後の上履きに書かれたメッセージ、私はいつも涙でにじんでまともに読めないんだ。 本作の深川監督は私と同世代で同郷ということでした。 いつまでも心に残る映画をありがとう。
[映画館(邦画)] 9点(2021-12-26 15:17:02)
19.  隠し剣 鬼の爪 《ネタバレ》 
よかったでがんすが、、全体的に登場人物たちの台詞の多さが気になりました。片桐 (永瀬正敏) にしたって、よくしゃべるお侍だなあ、と。心のうちに秘める静かな怒り、きえ (松たか子) への想い、そういった感情をもう少し表情や状況描写だけで語ってもよかった気がします。 しかし、四季折々の昔らしい日本の風景の中に、素朴な雰囲気のある永瀬と松たか子の組合せは実に「絵」になる、それだけでも観てよかった映画ではありました。 また本筋とは全く関係ありませんが、同じ山田洋次監督「学校Ⅱ」でクソまみれの共演をした永瀬と神戸浩の主従関係は秘かに笑えました。ついでに、「北の国から」以降で、田中邦衛と吉岡秀隆が (別の作品で) 同じ画面に収まったのは、これがお初ではないだろうか? (何だか貴重な瞬間を目撃してしまった気がします) また、緒形拳の鬼畜っぷりと高島礼子のエロ儚さ、これが何とも山田洋次監督らしくない。本作が単なる人情劇ではなく、この二人 (とそのエピソード) によっていかにも「時代劇」らしくなった、、それは間違いないけど。
[DVD(邦画)] 6点(2021-12-19 19:34:23)
20.  しあわせのかおり 《ネタバレ》 
日本料理、焼肉、イタリアン、フレンチ、、ありとあらゆる食の映画を観ても、なぜか「中華料理」が最も映画映えすると言うか、うまそうに見えると言うか、、このボリューム感のせいだろうか? 冒頭の海定食、山定食だけでかなりの満腹感、いや満足感でしたなあ。まぁそれはさておき (笑) 本作は出演者たちを厨房に立たせて実際に料理をさせて、その包丁やフライパンの手捌き、一つ一つの「音」と、料理人の汗ばんだ表情を抜かりなく撮っています。出来上がった料理が一層うまそうに見えるのは、料理人の、労を惜しまぬ仕事ぶりを丁寧に、力強く見せているからこそ。そして、画面から「かおり」が漂ってくる (気がする) のは、これがよい料理映画であることの証、なんです。 全体を通して、安直な回想場面ではなく、王さんと貴子、それぞれの部屋に置かれている写真によって、視聴者に想像をさせながら二人の半生を伝えていることもよかった。 王さんが貴子を連れて中国に帰省する場面、これは紹興という街の美しさとともに、忘れ難いエピソードとなっています。ここで垣間見た彼の生い立ちや人望の厚さは、「王慶国」という人物に深みを与えているし、娘と紹介されたことを知り涙する貴子の姿に私ももらい泣きするという、、。 お互いに、父と娘の面影を投影した関係ではありましたが、そこにたどり着くまでには、ほとんど "力仕事" のような中華料理店の厨房を、日本人の、それも女性に託すという、中国出身の王さんとしては、相当な覚悟と葛藤があったはずなんです。 だから、国境、言葉、そして男女格差のような、世に多くの見えない「壁」があるなら、それを乗り越えていく架け橋として「食」(料理) の力がある、、本作にはそういうメッセージが込められているのかもしれません。
[インターネット(邦画)] 8点(2021-12-14 22:11:14)
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