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プロフィール
コメント数 49
性別 男性
年齢 78歳
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1.  恋人たち(2015) 《ネタバレ》 
その批評眼を信じている若い友人の薦めで、久しぶりに映画館に足を運んだ。けれど結果は散々だった。まったく面白くもなんともない映画だった。というより積極的にマイナス評価だ。最近の若い人たちは本当にこんなものに共感できるのだろうか。いろんな賞も取っているけど… 何を言いたいのかは私なりにわかるつもりだ。皇太子御成婚から始まって、妙に天皇制度にこだわっているが、要は虚構の象徴としての日本の天皇だ。どうしようもない嘘話や軽薄、そういうものにがんじがらめに縛られている日本と日本人。だから皇室を巡るかつての詐欺事件も出てくるし。効果の無い変な水を売る商売や通り魔事件、女をだまして金を巻き上げる古典的な詐欺、覚せい剤、日本の欺瞞、なにもかも嘘くさくてやり切れない人間たち。そういうなかで誰もが出口なしであがいている。 そういうファッションとしてだけ社会問題がごった煮で出て来る。盛りだくさんだ。しかしそこには何一つ考え抜かれたもの、観察されつくしたものがない。人間の本当のリアルに迫っていないのだ。ただそういう社会現象をを背景にし、風景にして、通り魔に妻を殺された男性主人公と、漫画のようなつまらない小説も書きながらDV夫や姑に従っている女性主人公を、交差させないまままま登場させ、話を進めている。男は犯人に対する殺人衝動を抑えながら裁判で仕返ししてやろうとするが何人もの弁護士に金を巻き上げられるだけ。女は最悪の男に惑わされるだけ。そして家庭に戻る。男も何かを諦める。 妙に細部にだけ、映像だけのクソリアリズムみたいなのがあって、それだけによけい気分が悪い。つまり筋も話も、監督の頭の中だけで考えられ、作り上げられた嘘話(文字通りの)にすぎない。何もかも安易で社会や政治の問題を木に竹を継いで作り上げているだけ。ただ世の中に甘え、感傷的になっているだけ。何の方向もみいだせない。もしかして戦後日本のカスリベラル・偽平和主義が反転してこんな安易な体制批判をもたらしているのだろうか。(ただし男性主人公の演技力だけは確かだった。気の毒に)。 体制転覆・体制爆破の傑作は村上龍の「コインロッカーベイビー」だ。不思議な高揚感、読後の不思議な感動があった。そんなものがこの映画にはみじんもない。さいごに、男性主人公の善良な上司で片腕の男が、腕を無くした所以を打ち明ける。皇居に向けてロケット砲?をぶっぱなそうとしたが失敗して腕を失くしたんだって。さいごのそのオチを聴いて、もう少しで笑い出しそうになった。安易さが完結している。疲れるだけの観念映画!
[映画館(邦画)] 3点(2016-01-25 03:18:11)
2.  ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 《ネタバレ》 
なんともいえないほど不思議で、映像もきれいで、考えさせられる作品だった。いつかもう一回観ようと録画を残しておこうという気になる。何がほんとにあった事実かというのは解らないから、それはいったんわきに置くとして、作品が語ろうとしている限りでの真実を推測するとしてもやっぱり次のようになる。トラの物語は、一人で漂流をつづける間に少年が、それまでの船上での惨劇から自分の心を守るために、動物たちの物語に置き換えて作り上げたものだった。だから救出されたときの一番の感情も、そういう自分との別れ、、その悲しみ、そこからの新たな出発ということになったのかもしれない。日本の神さまとも近いはずだから、これからはヒンドゥーの神々のことも少しは勉強しなくては…と思った。なんか人間の宗教的な悲しみというようなものが、映像の美しさとともに、強く心に残る作品だった。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2016-01-03 14:29:33)
3.  永遠の僕たち 《ネタバレ》 
ただの純愛ものかと見始めたけど、死とか人の別れとか…重い映画だった。途中まで見てやっと、なぜ男の子が他人の葬式を覗き見にくるのかとか、日本の特攻隊員の亡霊に憑りつかれているのかなどが分かる。両親が交通事故で即死する。後部座席にいた彼は昏睡状態が続き、両親の葬儀にも出られなかった。そのときできなかった別れをやり直そうとしていたのだ。他方女の子はガンで余命いくばくもない。そんな二人が誰かの葬儀の時に出会う。彼にとっては両親の死の意味、そしてできなかった別れを、今度は彼女との別れで果たさなければならなくなる。 考えてみれば、人が生きるということはこういうことではないか。出会いと別れのその意味を、次々と尋ね、重ねていかなければならないのではないか。分からなかった以前のその意味を、今度は別の相手で考え直さねばならなくなる。加瀬亮扮する特攻隊員が彼にさとしたことは、人生は限られている、いまある命を大切にして愛を告げることしかない、ということだった。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-03 21:35:32)
4.  母なる復讐
これが韓国映画だ。というか韓国映画のある一面だ。いろんな意味で気持ち悪い。終わり方も分かってたけど公平のためになんとか最後まで観た。娘を強姦した3人の悪ガキは徹底的なワルで、単に自分たちの性欲を満たそうとしただけでなく、徹底的に女性を辱める、というより人間に対する冒涜、人間性への挑戦をやる。韓国の性犯罪率は先進国中でもずば抜けて高いことからすると、この映画もあながち大げさではないのかもしれない。そのくせ法律は欠陥だらけ、少年法が甘すぎるのも日本の法規を猿マネした名残りかもしれない。韓国の司法がいかにヘンかはナッツリターン事件や沈没事故の経緯を見ても分かる。とにかくこの映画、人への恨み、憎しみ……、半端ではない。さすがに恨(ハン)の国だ。従軍慰安婦問題でも、事実に基づいた告発なら歓迎するが、ありもしない残虐行為まででっち上げて国連クマラスワミ報告を出させてしまった。そういうこともこの映画を見て納得してしまった。それがいやだ。観なければよかった。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2015-06-15 22:56:50)(良:1票)
5.  新しき世界
ああ…面白かった。韓国映画ってあまり観ないけど、この映画はほんとにおもしろかった。最後まで目を離せず見入ってしまった。韓国映画にはむかし見た「冬ソナ」やコミカルな「僕の彼女は九尾狐」などの純愛モノでさえ、人間の愛情の真偽をとことん突き詰めるようなところがある。どこまで嘘なのか本心なのか、それを試そうというような凄みがある。そこが日本の甘く湿った純愛モノと違うところだった。韓国のヤクザ映画(潜入刑事映画)にはそういう嘘や駆け引きをどこか地で行ってるようなぴったり感がある。中華帝国と日本に挟まれ、裏切りと虚構で切り抜けてきた李朝朝鮮の歴史がそのまま反映されているような何か…。ラストの番外編は、本編で描けてなかった二人の親密さを補おうとして後から付け足したものに違いない。蛇足というより本編での主人公のしぶいキャラを損なうものになってしまった。惜しい。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2015-06-14 17:52:22)
6.  チチを撮りに
この映画、感想をまとめようとしてもなんかうまく言えない。人の機微に触れるなにかいいものがあるのに、なんか頼りなく物足りなくのんびりし過ぎている。そこがまた妙にリアリティがあって文句なく面白い。ぴったりした言葉が思い浮かばないでいたら、前にコメントしてる花守湖さん。「ゆるい」っていうんですね。そうこれ、こんな言葉あるんですねえ。この映画のなにもかもの「ゆるさ」が妙におもしろいんです。強さにもやさしさにも通じる何かですね。すっきりしました。花守湖さんありがとね。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-06-05 10:14:35)(良:1票)
7.  風立ちぬ(2013)
たしかになんか解りにくいまま、美しいまま進んでしまい、そして終わってしまう。あの戦争の悲惨な結末は分かってるのだからその虚しさを訴えたかったのか。もちろんそうではない。宮崎氏はそんなありふれたことはしない。また逆にこの映画をあの戦争の賛美につながっている、社会への見方が甘い、などといつも通りの人々がうるさく言うのもまったくピントがずれている。最近になって初めてこの作品を観たが、そういう見方の軽さは私にもわかった。ではいったい何がこの映画のテーマなのだろう。何が中心だと、一言でいえるものがあるのだろうか。あるとすればそれは何だろう。 宮崎氏はやはり自分から描く。人の想いから離れず、人々が生きる周りを丁寧に描く。飛行機への情熱と彼女への愛を細やかに描き、そこから離れない。そしてそこから見える限りでの時代を描く。ここに流れているテーマのようなものは、「死」とか「人間のはかなさ」のようなことだと思う。そしてそれはもしかして、自分の死を意識し、人々への弱々しい自分の愛に初めて気づいた宮崎の悲しみかもしれない。そんな気がした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2015-02-26 21:30:18)(良:1票)
8.  ザ・マスター 《ネタバレ》 
なんとも不思議な映画だ。けど分かる。これはマスター(教祖)と呼ばれる男と主人公との友情の物語だ。偶然、マスターのもとに転がり込むが、戦争で受けた傷を治せず、マスターの教えにも染まらないまま、憑かず離れずにいる主人公。いったい何を考えていっしょにいるのか、初めから終わりまで(正確には終わり近くまで)分からないまま映画は続く。二人の関係について考えてみた。およそあらゆる宗教の教祖や、なんらかのイデオロギー団体でそれなりの地位を保っているほどの男なら、心のどこかで、もちろん無意識にだが、自分のかかげる教義が嘘であること、言わば人の心を救う作り話であり、そういう理論装置でしかないことを知っているのではないだろうか。だから「マスター」は、この男を見限れないし、信頼もしている。簡単に主従関係に入ることで心の安定を求めようとしないこの男の自由さに友情さえ感じている。主人公の自由で、自分になびかない、訳のわからない魂に、自分と合い通じるものがあることを感じ取っているのだ。さて、ほとんど何を考えているかわからないままの、そしてどこか異常なままの主人公は、マスターが最後に、もう一度戻って来い、一緒にやろうと提案した時、初めて苦しい選択に迫られた表情を見せる。これ一回だけだ。しかし男は自由な生き方を選ぶ。どんなに貧しく惨めな孤独でも、一人で生きる…自由に生る…、そんなつぶやきが最後に甘い歌に乗って響いてくる。終わる直前まで、暗く憂鬱なだけの映画だったが、かすかにかすかに…おかしみのような哀しさが伝わってくる。(ちなみにカルトの話というと敬遠しがちな方のために一言述べておくと、マスターの教義はけっして狂信的なものではなく、一言でいえば輪廻転生みたいなもので、どこかにこんなのが一つや二つ現われてもいいなあ…と思う程度のものです)。
[DVD(字幕)] 8点(2014-07-27 18:55:40)
9.  八日目の蝉 《ネタバレ》 
これは幼いころの一時期、自分を誘拐した女に育てられた記憶を持つ主人公(井上真央)が、そのせいで屈折した関係しか築けなかった実の両親との、和解に至るまでの死と再生の物語だ。その和解は映画の最後になってやっと訪れる。自分を誘拐した女(永作博美)との幼い記憶を離島に訪ね、そこで女が別離の瞬間までいかに自分を愛してくれていたかを、はっきり確認できて初めて可能となる。過去を取り戻し、過去を肯定できて初めて、同時に、自分も両親(特に母親)を憎んではいなかったと言えるようになる。そして自分も彼女(永作)や島の人々が自分を愛してくれたように、やがて産まれてくる自分の子をも愛せるという自信を持つ。なぜ死と再生の物語かというと、こうしてはじめて主人公は死を選ばず、八日目の蝉になっても、一人で新しい世界を見ようという気になれたのだから。エンジェルというカルトやライターとの関係など、あまりすっきりとしない面もあったが、それらを差し引いてもすばらしいラストだった。永作の演技が光っている。すべてが明らかになり、最後に中島美嘉の歌が鳴り響くのもよい。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2014-07-21 16:12:42)(良:1票)
10.  おとなのけんか 《ネタバレ》 
なんともいや…すごいというか、ここまでやるか…というか、欧米人(アングロサクソン)のすさまじさに呆れるし、脱帽もする。日本人などが想像もできないほど思弁的で感情的だ。ため息が出るほどの違いだ。子供のケンカに端を発して二組の夫婦が事後処理に集まるが、収拾がつかなくなる。それどころかますますエスカレートして、二家族の間、二つの夫婦それぞれの間、4人の大人それぞれが入り乱れて喧嘩しはじめる。子供同士はなんなく仲直りしたことが最後に示唆されているが、少しもめでたくはない。最後には全員が消耗しつくし、くたくたになって果てるが、終わりではない。そのことは花瓶に投げ込まれて故障していたはずのケータイが復活して最後に鳴りはじめることでも分かる。じつはこの小道具がこの劇の隠れた舞台回しをやっていた。悪辣な製薬会社の顧問弁護士をやっているケイトの夫に何度もかかってきて、4人の話し合いを中断させる。これが訴訟社会・競争社会である外の世界を思い知らせている。劇の進行と会社に入れ知恵する男の助言がぴったり合っている。原題はCarnageとのことだが、これは「修羅場」か、それとも「リベラルな」ジョディが話すスーダンの「大量虐殺」も暗示してるのか。つまりそういうアフリカの現実ほどわれわれは荒んでいるということか…。たしかにこれはやり過ぎでもある。最後の三分の一くらいになると、もうやめてくれと言いたくなる。しかしそれは私の甘さかもしれない。酒も入り四人をズタズタにすることが監督の狙いだったのかもしれない。とにかくすごかった。わたしの好きなケイト・ウィンスレットが立ったまま大量のゲロを吐く。あの演技はあらかじめ口に含んでいるだけではできないはず。胃から吐き出したとしか考えられない量だ。あのシーンを抜きにしても、すべてが徹底していた。まったく毛唐のやることは…、明治人ならこうつぶやきたくなるような、そんなすごい映画だった。
[DVD(字幕)] 8点(2014-07-20 15:27:52)
11.  SOMEWHERE
言いたいことは分かるがただ虚しいだけ。後に何も残らない。理解しようとして最後まで引っ張られるのだから何かあるのだろうが、最後、あの終わり方で何を?愕然としてしまう。
[DVD(字幕)] 6点(2014-07-15 17:21:50)
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