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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1701
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  赤死病の仮面(1964) 《ネタバレ》 
うーん少なくとも、最も肝心なるオーラスの「死の舞踏」の感じはかなり好きな方なのですケド、如何せん、そこまでが延々とド派手にショボくて酷く退屈なのですよね……ただ、それはたぶん「今になって観るから」だとも思えるとゆーか、結局、今作のこの悪魔城の中に在るべきモノってのは、赤死病を免れるという安寧・物質的な充足と、その代償としての「悪徳・頽廃・倒錯」だと思われるのです⇒要は、映画的にはエログロもしくはスプラッタである、と。その部分の衝撃度が「今になって観ると」どーにも物足りないので、こーんな薄味な感じにまとまっちゃってるのだろう…とは思われましたですね。でも重ね重ね、クライマックスの見応えは(⇒純粋な映像の部分のクオリティも+ヴィンセント・プライスの演技の出来も)コレは今なお十二分かとも思われますので、いったん評点はこの位に。興味がある方は、機会もあるならば是非。
[DVD(字幕)] 6点(2024-12-10 00:20:02)
2.  怪奇な恋の物語 《ネタバレ》 
モリコーネ氏の例のドキュメンタリを観て、観たくなって観てみたというヤツですが、そのドキュメンタリでの言及のされ方からも、かなりアート方面に寄った作品であるのは想像が付いてました。観てみると、音楽&画面のつくりは正に高度にその如く、かつ、内容としても主人公がドンピシャでソッチ系のアーティストってことでもあったのです、が、ストーリーの中身自体は翻ってワリとシンプルで分り易いとゆーか、その面からは単にホラー…だよなコレ?(Jホラーっぽいって言っても好いかもなコレ?)と言えるレベルかな~と思ったのですね。  しかし、オーラスは唐突に(て訳でもねーですが全体を通しての整合性からすればソコには反して)相当に奇天烈な終わり方をしてゆくのですよね⇒正直訳ワカメ。んで、Wikiを覗いてみたら「ジャーロ作品」の一言でそれが片づけられちゃってて…と言いますか、でもコレってジャーロなんすかね???少なくとも、前述どおり映像や音楽自体のアートみとゆーのは通常のジャーロよりはまま高度だったと思われますし、その上で、ソコに加えてお話の方も余りにメチャクチャだと流石にバランス崩壊する…て意図が透けて見える位には(重ねて)シンプルなホラー・サスペンスだったと思われるのですよ。やや、一種のインモラルな要素が強力+時代を鑑みれば血ミドロ具合も比較的エゲツない、とそれが為に本邦ではあまり普及して来なかったという作品にも思えておりますが、ジャーロと言ってしまうよりはもう少し広く、イタリア製のホラー・サスペンス&アーティスティックみたいな系統のクラシック作品として、多少更に評価されても好さそう…みたいな感想は持ちました。一点ダケ、これは素直にジャーロっぽい…?と言っても好いのかなとゆーか、中身も音も演技も至極不安(不安定)な上に、加えて撮り方も終始かなりガチャガチャっと観にくくて、ソコに関しては私の好みから…という意味ではだいぶ外れてた、てな感覚では居ります。
[ブルーレイ(字幕)] 6点(2024-11-24 19:15:39)
3.  シシリアン(1969) 《ネタバレ》 
時代的なトコロもあるのでしょーが、特に中盤が(かなり長いコト)サスペンスとしては&ノワールとしたって、ごく非常にマロいのですよね(=ちょっと眠い)。序盤にはドロンが(半裸で)走り回る様なシーンもあったり、またオーラスの辺りは(急激に)テンポもかなり好くなってったりもするのですケド、その辺も含めて多少「時代」を感じざるを得ない…みたいな感じではありますかね。  だから正直中盤は、名優3人の演技をボ~っと眺める位しかやるコトがねーのですケド(女優も今作では個人的には今一つパッとしない様な気もするし…)ドロンとヴァンチュラはともかく、ギャバン御大はちょっとあんなに老け役につくり込む必要はあったんすか?と思ってしまいますかね⇒隠居間近のマフィアのドンという役回り+実年齢も60半ばだし…とは言え。。そもそもストーリー自体もやや焦点が絞り切れて居ない様な感じで、ボ~っと眺めてる分には宝石強奪のトコロなんかはまずまず鮮やかな仕業!にも思えたのですケド、そっから先はクライマックスの盛上りもイマイチだし…と、ストーリーにも(率直に)そこまでの面白みは無かったかも知れない…とは思ってしまいますよね。  しかし、再び個人的には、終わり方(とゆーかその「呆気無さ」)には、中々に味わい深いフレンチ・ノワールの真髄を感じられたという気もするのですね。この話って結局のトコロは、あの時あの瞬間にテレビにあのシーンが映らなかったら…という、実に些細なコトを切っ掛けに最後は皆が破滅する…というお話だと思えて居り、それはその「悪が栄えるコトを許さない」という意味でもごく正しいノワールの終い方だと思うのですし、それもまた全体のアンニュイさ(+例のモリコーネの気怠い音楽)にも適合していたと思うのですよね。まあ、再々度、その破滅をもたらした最大の元凶は?と少し掘り下げるならば、ドロンの色ボケと、そしてギャバンの「家族」というモノに係る頑固さ+嫁ごときを御しきれなかったという少しバカリの(しかし致命的な)油断、という、これまた些か気の抜けてしまう様な人間臭さ、だと思ったりもしますケドね。
[DVD(字幕)] 7点(2024-10-13 01:30:06)
4.  殺しが静かにやって来る 《ネタバレ》 
モリコーネ氏の例のドキュメンタリを観てコッチも観たくなっちゃった第一弾!なのですが、内容自体は典型的なるマカロニ・ウエスタンで、かつ件の氏の音楽も(多くの部分では)オーソドックスな氏のマカロニ系だとも思います…が、まずはそのお話が全編通して白銀世界の中で繰り広げられるというコト、マカロニの中でも相っ当なハードボイルドって方であるコト、加えて、肝心なシーンでは氏の手になる音楽もまた実に高尚なっちゅーか本格的なっちゅう風情に溢れまくっていて(クラシック=純粋音楽ぽい曲も方々に多々あったりで)トランティニャンが主役だからってダケなワケではねーものの⇒その高度な芸術性&風格を鑑みるならごくハイレベルな方のフレンチ・ノワール的だった…みたいな質感すらも感じられてしまいましたよね。個人的にはその辺はズバリ、ドンピシャに好みだったと言えます。  しかし………確かに、このラストは、衝撃的とゆーか驚愕とゆーか、でも驚愕とゆーても「え、こんな終い方してもーて好いと思てんの?」みたいな悪い意味での意外性だとゆーか…(殊に前述どおり、内容そのものは結構オーソドックスな方なんだから…)百歩譲って、トランティニャン以下があーなるのは(私としても)涙を呑んで善しとした…しても、それでもどーしたって(あのレベルで極悪!って)クラウス・キンスキーがああ為って(=ああも為らずに)終わるとゆーのは、コレは私としてもちょっとどーにも腑には落ち切らないのですよね。その点を考慮して、この評価としておきます(⇒ハッピーエンド版も流布してるってコトみたいですが、どーでも好いって出来なよーなので観ずにおこうと思います)。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-10-05 23:52:47)
5.  河内カルメン 《ネタバレ》 
さっき『肉体の門』の方でも仄めかしましたが、まず今作の野川由美子さんってナンか一瞬信じられないレベルのド級の美人に(何故か)見えちゃってまして、一方で内容も内容とてモ~「悪ふざけ」に近いって遊びっぷりで、演出もまた(善きにせよ悪しきにせよ)実に監督の「クセ」が超・強力に出捲っちゃってますし、また他方では中盤に一発野川さんと佐野浅夫さんの(諸々と)また意味分かんないケド意味分かんない位に凄い(全力で笑えて全力で泣けちゃうって)超絶演技の名シーンも在ったりして、ま~た正直「ナニこの映画???」と思ってしまって已まれなかったすよね。重ねて、先の『肉体の門』と点数の前後は付けておくのですケド、率直にそのコトに意味とゆーのはほぼほぼ無いのです。興味と機会と暇の在る方は、万難を排してでもご覧くださいませ。
[インターネット(邦画)] 6点(2024-09-07 01:50:19)
6.  肉体の門(1964) 《ネタバレ》 
先に『河内カルメン』から観てしまったのですが、製作年とはテレコ!てなモンでアッチはモノクロなのにコッチは極彩色!だモンですから、コントラスト的に(観るのが後になった)今作の方が更に一層眩い…みたいな感覚では居りましたすね。尤も、お目当ての野川由美子自体は逆に、モノクロの方が(物理的に美的だったかどーかで言えば)より美しかったとも思いますケドも。とは言え、お話と、それを織りなすキャラクターの「凄み」みたいなモノに関して、ソコはどーしよーもなくコッチが上回るとは思うので一応評価の上下は明確に付けておこうかと。何つーか身も蓋も無く、ココからロマンポルノに繋がっていったんだなァ…とは(やはり)思われてしまいます、が、その意味では中盤以降の緊縛シーン×2のクオリティとゆーのは、ワリとロマンポルノ結構観たゾ!て自負のある私の感覚からしても、正に原点にして至高!みたいなド級の出来だったとしか思われませんですね。実にこう~~~上手いコト諸々を「隠してる」とゆーか、一方でそれでも尚このレベルまでに(随所に渡って)画的な美しさに(勿論の)妖艶さも兼備して…とゆーのは、やはり唯々「凄腕」だとしか言い様がねーな…と思ってしまいます。『殺しの烙印』以前の作品を正直追っかけれてない(⇒否、避けていた)のですケド、ゆるゆる全部観てゆこうかと思いました。
[インターネット(邦画)] 7点(2024-09-07 01:37:30)
7.  あなただけ今晩は 《ネタバレ》 
前作『ワン・ツー・スリー』がいまいちヒットしなかったのか or ヒットはしたケド(諸々と)も少し物足りなかったから…なのか、(仕切り直して)もっかい!!みたいな感じでつくられたってコメディ&満を持してレモンとシャーリーのコンビに再登板して貰ってる、て映画ですよね。しかし、特に『ワン・ツー・スリー』を観ちゃってからだとそのテンポのまろやかさがひたすらに際立って感じられてしまうのも否めなくて、内容=ラブコメの部分が至極他愛も無いのも含めて、少なくともこ~んな長大な尺で語るべくお話ではね~よな~と思ってしまうのが正直なトコロです(⇒いいとこ100分に収める映画だよな~と)。  とは言え、コメディ部分はやっぱどれも面白い・笑いとして上質だ、とは思うのですね。プラス、今回観たらレモンもシャーリーもやっぱ魅力的に見えるし・相性も好さそうだし、気楽にノンビリ観るなら全然アリか…とは思った⇒でも、やっぱ絶対無駄に長い or そもそも無駄なシーンも大いにあっただろ…とも思ってしまうのは(再度)厳然たる事実ですね。どだい、コメディで2時間半なんて尺で、且つは傑作(=全編メッチャ笑える)な~んて映画って、現時点までで存在してるのでしょーかね?ミュージカル・コメディとかなら(ギリ)在り得るのかも知れませんケド……
[インターネット(字幕)] 6点(2024-06-10 19:53:46)
8.  ワン・ツー・スリー/ラブハント作戦 《ネタバレ》 
映画史に残る傑作『アパートの鍵貸します』の大成功に引き続いて翌年?に撮られた純然たるコメディなのですね。しかし、主役が彼のジェームズ・キャグニーにバトンタッチしてるのでまず雰囲気自体がだいぶ異なるとゆーか、非常にキビキビとハイテンポとゆーか当時から更に3,40年位むかしの戦前のスラップスティック・コメディみたいな質感だな…とも感じますね。内容も、また当時の時代背景をモロに投射して結構ドギツいってレベルで全方面に対してごくシニカルだとゆーか、出世欲の権化みたいなキャグニーを始めとして老いも若きも男も女も+右も左も(ちょっと笑い難いってレベルで)イカレポンチのコンコンチキだらけ!てゆう闇鍋状態ではあります。その辺、シンプルに当時の政治状況等の理解が必須であるコトも含めて、少し余りにも「キョウビの若者向けじゃない(⇒たぶん皮肉な台詞の意味がイチイチ分らない)」みたいな感じであるかとは思えてしまってまして、正直ちょっと「玄人向けかな…」みたいな感覚もあるって感じなのですよね(意外なマデに)。  しかし、特に後半の怒涛の如きハイテンポなボケの連続+その辺りのパフォーマンスの完成度の高さは、コレも正直『アパートの鍵貸します』や後続の『あなただけ今晩は』よりも頭抜けて凄まじいキレの好さだったな…と思ったりもするのですね⇒個人的には、純粋にコメディとして笑えたかどーかで言うなら今作が最強だったかもな、と。特に好きなシーンは、無理やりオットーを養子に取らせようと伯爵を買収するくだり(の伯爵の電光石火の如き変り身の早さ)と、そのオットーが叫ぶ「清涼飲料水の奴隷たちよ、蜂起せよ!⇒お前はスパルタカスか!」のトコロ。今回、なんと態々『あなただけ今晩は』と観比べたんですケド、少なくとも今の私にとってはコッチの方が(やはり)好みでしたよね⇒なのでこの評点で。
[DVD(字幕)] 7点(2024-06-10 19:39:31)
9.  マタンゴ 《ネタバレ》 
もう60年以上前の怪奇特撮映画ですが、意外と本質的にはホラーや特撮ものよりはハード系人間ドラマ=極限状態での浅ましい人間性の描き出し、の方がワリとメインって作品に見えてまして、その意味ではロメロの初期ゾンビ映画とかの先行作的な位置づけ…みたいな感じも覚えますかね。ドラマにせよ・特撮にせよ、今観ると多少チープ+まま娯楽映画的なつくり込みの深さ、だと思われるのも確かではあるのですが、それでもその(実は上映時間の大半を占める)ドラマ部分の陰湿な居心地の悪さとゆーのは、今作が多くの人の記憶に鮮烈に残ってるってコトのワケがいとも簡単に理解できる…みたいなショッキングな代物だったと思うのですよね。登場人物にはモデルが居るってコトらしーのですが、そーいうの関係無くとも比較的みんなキャラクターのつくり込みが上手くいってたと思いますし、演技の方も総じてソレにハマってた…とゆーのがひとつのポイントかな~と思われますかね。またもう一つ、現代社会に毒されたこの連中は結局マタンゴなんて居ても居なくても(同じ状況ならば)いずれは破滅しただろう…みたいな全体構造が在るコトにも(個人的には)一応筋が通ってたと思えたコトも含めて、今回再見してもやっぱドラマとして全体的に好く出来てるよな~と思っちゃったのですよね⇒なので1点加点しておきます。  プラスその上で、終盤はやっぱシンプルにかなり怖い・悍ましいのですよね⇒いま観直しても尚、ちょっとゾクッとしちゃいました。昔の特撮のこの感じの不快な「音」とか、あとは前述どおり(ココでも)演技のハマり様=作中イチバン印象的なのってやっぱ水野久美さんだと思うのですが、彼女が妖艶にも人間でなくなってゆく様子なぞも、やっぱ素晴らしかったと思うのですね。観てないって方は、ぜひ一度は観た方が好いかもな~と思ってしまう様な良作クラシックでありますね。
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-26 16:42:00)(良:1票)
10.  スイート・チャリティ 《ネタバレ》 
言わずもがなミュージカル仕立てで、かつナンだカンだ「半分は歌って踊ってんじゃネ?」てな感じにその面のボリュームが凄いコトも含めて、諸々と元ネタとは雰囲気が大いに違ってると感じるのですね。中で、私が思う最大の違いとゆーのは、根本的な主人公のキャラクター=ナニを一番に求めているか…ってトコロですかね。カビリアは自分の(悲惨な)人生に絶望してるんだと思うのですが、翻って今作のチャリティは「真実の愛」に唯々飢えている…みたいな。それに伴って、それこそアメリカナイズされたアーバンな質感+ミュージカルというごく「エンタメ」な要素もふんだんに加わって、シンプルにとにかく全編「楽しい」って雰囲気には仕上げられてると思うのですよね(⇒別に、チャリティの境遇自体の「悲惨さ」を際立たせたい…というコトではない、と)。でも、だから寧ろ、このラストって(ナンなら元ネタより更に)かなりコッ酷いバッド・エンドじゃない?とも思われたのですよ(逆に)。あの男……個人の信条とゆーのは在るとは思いますが、マジでクソろくでもねーな…と思ってしまいましたよね。。また逆に、だからこそ、其処からチャリティがオーラスに立ち直って来れたのは、前述のアメリカ的な(舞台となる土地そのものが備える)都会感・開放感・進歩性=未来への希望、みたいなモノが在ってこそ(実在してこそ)ではねーか…と⇒だから、たぶんコレ、今今にそのままやってもモ~成立しないかもな…な~んて。
[DVD(字幕)] 6点(2024-02-22 23:32:41)
11.  呪いの館(1966) 《ネタバレ》 
この作品も、前々からバーヴァの代表作だ…とは聞くダケ聞いては居たのですケド、探しても観る手段が無さそ~かな~と思ってたら⇒なんかサブスクでタダで観れる様になってました。好い時代になりましたよね。  今作は、コテコテなるオカルト・ホラー、かつ時代相応?にかなりオドロオドロしい雰囲気を擁するコトを含めると、まずは60年代当時の(ハマーフィルムに代表される)怪奇映画的質感の正統なる継承…とか、或いはこの後70年代に流行するオカルト映画の萌芽…みたいなモノだとかがヒシヒシと感じ取れるってヤツに思えます。そして流石にバーヴァ最高傑作と称されるダケはあり、雰囲気がのっけから実に好いのですよね~~ロケ地・建物の感じとか、質感自体は前述どおりハマーが(チャンと)つくったこの頃の作品準拠のレベルかとも思いますが、部分的な建物の装飾のゴージャスさなんかはそれ等を少し上回ってたかと思います。お話自体はかなりシンプルで、但しショックシーン自体は(後のイタリアン・ホラーをまた彷彿とさせる様な)鮮やかで凄惨な良クオリティに仕上がってましたですね。且つは何より、最も肝心なるホラー的ポイントゲッター・メリッサちゃんのブキミな有様の凄さ!美少女感は確かにまたビンビンなのですケド、ドコかナンだか不自然でブキミ…と思ったら実は男のコに演らせてるんだそーで⇒な~るほど、だから当然に違和感が在りまくるワケですよね!(実にシンプルで簡単で、かつ効果的なアイデアだな…と感心してしまいましたよね)  一点、冒頭で横死する女性を含めれば、メリッサちゃん以外に大人の女性が計4、5人は登場するってのはちょっと多くない?と思ったりもしますケド、各々比較的演技に凄み・キレも在ったので全然好しと出来ますよね⇒特に、ヒロイン?のモニカちゃんの終盤の狂乱ぶりや、案の定のラスボス・グラプス夫人の(コレもオーラスの)深淵なる狂気、とかも好かったかと。結論としては今なお全然フツーに楽しめるクラシックホラーかと思いますので、この機会に是非。追伸、メリッサ・グラプスって、あの『サイレントヒル』のアレッサ・ギレスピーに字ヅラがソックリじゃねーですか?(まさかの元ネタ?)
[インターネット(字幕)] 6点(2024-02-12 10:13:53)
12.  ヨーヨー 《ネタバレ》 
コッチが長編第2作とのコトで、かつカンヌやらナンやらで激賞された…という隠れた傑作みたいなコトらしーです。内容は、確かにまずはコメディではあるのですが、(作品中でも明らかに仄めかされて居る様に)そのコメディとしてもフェリーニを多分に意識した様なズバリの作風に加えて、ソコで単なるコメディではなくって大恐慌~大戦~テレビの普及~みたいな社会的カタストロフィを立続けに被る芸事の世界の移り変わり…的なストーリーを軸に据えた、ちょっと社会的な要素を含んだドラマにもチャンと成っているって作品なのですよね。  冒頭、トーキー以前の時代の描写はキチンと(この映画としても)サイレントとして描かれてたり、諸々と表現の部分にも全く手を抜いてないし⇒だからドラマとしても率直にかなり好く出来ていると思いました。がしかし、コメディとしては(少なくとも当然に)ソコまでコメディに徹しているワケではないとも(やはり)思えてしまいましたし、んで他方のドラマとしたって終盤はややトーンダウン・大人し目に終わってってしまうという(多少残念な)感じも覚えたりもしたのです。個人的にそれこそフェリーニのこの手の作品ってかなり好きなのでして、だから似てる今作もまた興味深く観るコト自体は出来たケド⇒アッチより(諸々と)上かってゆーと…みたいな感じは否めませんかね(理由もまた諸々ではありますが)。プラスしてもう一点ダケ、コメディとしては今作までの短編2作+前作『恋する男』とも率直にかなり似通った質感(ボケ質)なので、それを立て続けに観たから…てコトも影響してる気はします。重ねてそれでも悪い作品ではないかと思いますので、お暇なら。
[インターネット(字幕)] 6点(2024-01-25 01:06:48)
13.  恋する男(1962) 《ネタバレ》 
短編2作品に続く長編としての初監督作だそーで、主演はまた監督自身が務められてますね。恋愛に奥手な男性が両親に発破をかけられた結果、むしろドンドン酷い有様に大暴走してゆく…というお話で、短編2作品でも見られた様な「やるコトなすコト上手くいかず困り果てる」だとか「ココロ1mmも此処に在らず」みたいなごく間抜けな様子が(またまた)演じられてゆく…のですケドも、例えば本作のハイライト⇒歌手ステラに一目惚れして部屋中を写真で埋め尽くす…とか、或いは中盤に出て来る泥酔女の醜態全開なトコロなんかも、コレってたぶん当時は現在よりも大幅に衝撃的な大ボケだったのだろう、と思ってしまったりもして⇒でも正直今今じゃあそこまででもねーかな…という感覚がやっぱありまして、ですね。。一点、結構コテコテに古典的なコメディだとは思うのですが、コレもやっぱし中々どーしてフランス映画的に女優さんが揃ってメッチャ美形なのです⇒特にラスボスのステラなんてモ~芸術レベル!みたいな感じで。だから再度、コテコテなコメディであるにも関わらずどーしたって何処か品格とゆーか文芸的な趣きみたいなモノも感じられてしまうのですよね(個人的には、コメディだろーとナンだろーとフランス映画は斯く在るべし…と思ってますケドも)。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-01-25 01:00:15)
14.  首(1968) 《ネタバレ》 
戦中の所謂「首なし事件」で、権力の横暴と闘った弁護士・正木ひろし氏を描く社会派サスペンス。正木氏を(実名のままに)演じるのは名優・小林桂樹。事件の内容としては戦時下、取調べ中の警官の暴行により被疑者が殺されたが、隠蔽工作によって死因は脳溢血と偽装されてしまい、それを覆すために証拠の「首」を…という話である。実際、外傷と脳溢血では明らかに解剖所見が異なるだろうから、本件の裁判は(裁判自体は終戦を挟んで長期に渡ったが)最終的に正木氏の勝利に終わっている、が今作はそのポイントとなった「首の確保」にフォーカスすることで、ごく重厚なサスペンスとして娯楽映画的にも十分にスリリングに観てゆける作品に仕上がっていると思う。  逆に、娯楽映画として観るならば(ポイントをその首の確保に絞っているから)随所で暗躍する悪役がその後どうなったか、或いは主人公側に居る準主役・南風洋子がその後どうなったのか、等は描かれず、結果的にカタルシスとしてはやや弱いのが少しダケ玉に瑕かも知れない。しかし、肝心な正木氏を演じる小林桂樹の演技自体は鬼気迫る超・迫力を備えていてその見応えダケにでも十二分に観る価値が在るだろうし、そして取り扱う題材の観点からも当然の如くに価値在る作品だと思う。興味のある方は是非。  ※長年ソフト化されなかったとのコトだが、急に今般DVDが出たのは件の『首(北野監督作)』の影響なのですかね…尤も、正木氏は後に名誉毀損で告訴されてその裁判中に亡くなっており、だから実名で登場する今作に関してはソフト化にも少し時間を要した…というコトかも知れません。
[DVD(邦画)] 6点(2023-12-24 22:41:56)
15.  陸軍中野学校 開戦前夜 《ネタバレ》 
タイトルどおり、日米開戦・真珠湾奇襲の直前…というスリリングな状況下で、結果的にはその作戦に関わる海軍の機密が標的となる…とゆーのも含めて、シリーズ最終作に相応しいスケール感だったとは思うのですね。あと、実質的に最大の敵となる小山明子さんの存在感や演技面とかも、個人的にはかなり好かったと思ったりもするのです。しかし、途中までも正直あんまし面白く観れてなかった…とゆーか、前述どおりの緊迫した情勢ではありつつも、日本軍参謀本部側のミッションは(既に情報が漏れてるから)その漏洩元を潰すという(今までと同じ様な)単純なコトで、翻って他方の敵諜報機関のターゲットとゆーのは途中までは単に「機密」というごく具体的ではないモノだから、中盤はやっぱし(特に)敵がナニを狙ってるのか・ナニがしたいのかがちょっと分り難い…と感じて居たのですよ。所謂マクガフィンで好いのだから、この手のならばやはり双方が同じモノ(情報・アイテム)を狙っていた方が観易いのだろーな…と思い直してしまいましたよね。  加えてもう一つ、オーラスの病院でのシーンで「手術中だから電源が切れない!」な~んて、イクらナンでもこの期に及んでそんなコトを逡巡するワケねーでしょ⁉とね(⇒コレは、旧日本軍なら当り前のコト+多分今の米軍その他でも別に変わんないと思うのですよ)。こーいうのは流石に、ちょっとわざとらしい「綺麗事」にも見えてしまいますよね(興醒め)。
[DVD(邦画)] 5点(2023-11-28 23:23:39)
16.  陸軍中野学校 密命 《ネタバレ》 
内容的には二作目同様の国内での防諜戦で、物理的に派手な展開とゆーのも(やっぱ)あまり無い感じ。しかし、冒頭で椎名次郎が憲兵にとっ捕まって+草薙中佐にも見放され…みたいなヤツは(途中からは流石に気付いたケド)初っ端からショッキングでちょっと盛り上がったとも思うし、ソコで恩を売った要人の元に潜入して…なんてのもまたテンション上がるヤツだと思うのですね。そして、結論的なそのスパイ・サスペンスのクライマックス=黒幕は誰だ?みたいなトコロだって、コレも十二分に驚愕!と言って好い意外性のあるモノだったとも思うのです。二作目よりは(同じ系統とは言えど)脚本の出来としては確実に上だったのではねーかな、と。  しかし、終盤手前の展開運びの高度なご都合主義感がどーにも……まず結果的に、高倉氏の方の手掛かりとゆーのは(直接的には)事件の解決には寄与しなかった…てのもかなりイマイチだと思いますし、気付いたら小柳のオースチンが前を走ってた…なんてサスペンスとしてはその時点で落第だ!てレベルだとも思いますし、んでクライマックスとて何故に三枝は椎名をキャッツ・アイ本人と(そーとは明かさずとも)対面させるなどという愚を犯したのでしょーか?この辺り、個人的にはイクらナンでも許容範囲を外れてしまっている様な気もするのですが、大いに散々と悩んだ結果⇒後輩の狩谷絡みのシーンが個人的にかなり気に入ったコトを踏まえて、評点は三作目と同じにしておきます(前作で杉本が死んでしまった中で、替りに後輩を連れてくるってのは確かにグッド・アイデアだと思いましたので)。
[DVD(邦画)] 6点(2023-11-28 23:05:17)
17.  陸軍中野学校 竜三号指令 《ネタバレ》 
コレも二作目同様にシンプルなスパイ作戦の顛末を描いた娯楽作で、いちおう舞台は上海の様ですが⇒それっぽいロケーションが出てくるワケでもないし+俳優も全部日本人だし(ヨーロッパ人は出て来ますが)、その意味での面白み・スケール感とかは残念ながら見られませんかね。他方、スパイアクションとしては前作よりはハッキリ派手で⇒ドンパチもしっかり在りますし+スパイの小道具を駆使して!みたいなのも(最後の辺りに)在りますし、その面ではチャンと向上してると言って好いでしょーかね。今作までの三作で皆勤の同期・杉本の戦死は(観てるコッチとて)悲しい出来事でしたが、それを以てしても本作戦の真なる目的は達せられなかった…という結末にもまた大いなる悲哀が感じられます(⇒試合には勝ったが勝負には負けた、みたいな)。この、一作目に通じる様なラストのやるせなさがまた(ある種)心地好かったコトも含めて、二作目よりは一点アップのこの評価でいきます(⇒ラストのそのシーンは、椎名・草薙の二人の寂莫とした「画ヅラ」もまた好かったな~と)。
[DVD(邦画)] 6点(2023-11-27 22:07:44)
18.  陸軍中野学校 雲一号指令 《ネタバレ》 
一作目とは少し雰囲気が変わって、ごくシンプルなスパイもの・防諜戦を描く娯楽作品になっている…とは思うのですが、それでも他のその手のヤツに比べるとたぶん比較的地味な方で、かつワリと丹念に(≒少しノンビリと)その捜査を進めてゆくので⇒じっくり観れるとは言うモノの・多少リズムに欠けてテンポも好くない…という印象も強めですかね。クライマックスもまたちょっと地味ではあるので、少なくとも前作には及ばない程度の出来かなあ…と。重ねて、前作とは全然雰囲気違う(⇒何ならジャンルも別かも)て感じの作品ではあるのですケドね。
[DVD(邦画)] 5点(2023-11-27 22:01:45)
19.  陸軍中野学校 《ネタバレ》 
中々面白いですねコレ。たぶん『007』に影響されたシリーズなんだろ~な~とは思えども、モノクロ作品なのでもっと前の映画?と思ったら全然そんなコトなかった…のですよね⇒でも、逆に戦前ぽくて雰囲気出てたんじゃねーの?と思ったりなんかもしました。また、スパイ映画としては技術的にも&スパイの内面的にも当然の如く超レトロ(聞こえは悪いですがある種「前時代的」)とゆーか、ラストなんか特に(中野学校卒業に際して)宴会で酒吞んでスパイが皆で高歌放吟してる!のなんかは「盗聴器とか無い時代だから…」と思ったりもしたのですね。前述どおり、スパイのテクみたいなモノも総じて属人的とゆーか(今で言うなら)ソーシャルエンジニアリングみたいなアナログなヤツが主流で、そこは再び、アイテム&ハイテク(&筋肉)頼みのキョウビのスパイとは一味違って面白かったですね。  加えて、邦画のスパイものとして彼らのキャラそのものとゆーか、何つーか実に「日本人ぽい」スパイが揃ってたな…と思ったのですよね。見た目もそーだし・みんな生真面目なのもそーだし、中でも主役の市川雷蔵さんはマジでフツーのサラリーマンにしか見えない…のですケド、ラストでは実に冷酷な「心の無い」スパイに成り果てて物語は次作に続いてゆく…という。そこなんかも、結局最後まで全く感情を見せないという(雷蔵さんに関する)演出自体が、ちょっと洋画では考えられないかな…とも思いましたよね。重ねて、その部分を見せつけるシナリオ全体の構成について、やや「出来すぎ」な感が在るのも確かですが、それでもまずまず好く出来ていた・効果的だったのではねーかと思いました。後続作も楽しみです。
[DVD(邦画)] 7点(2023-11-21 13:40:32)
20.  博奕打ち 総長賭博 《ネタバレ》 
いや~、コレは確かに好く出来てる…95分の映画で、今作より好く出来てる脚本てェのはちょっと他に思い付かないな……  三島由紀夫がギリシア悲劇の如し…と評したらしいですが、確かに登場人物の行動原理ってのは何れもごく非常に古めかしいのですよね。中盤の桜町弘子や三上真一郎が特にそんな感じだと思うのですが、そんなトコロで命まで張らんでもエーやろ!とゆーのが(現代では)ややもすると「愚かさ」にも見えて来るのかも知れない…とは、私も確かにそう感じるのです。でも、コレは恐らく彼らの中で「自分の命」とゆーのが(当世とは比較できない程に)限り無く軽く、翻って逆に「筋を通す」とゆーコトが地球と同じ位に重い…という、この点こそが私には今作で最も「古典的」で、かつ「古典的悲劇的」なコトだと思われたのですよね。日本のこの時代のヤクザの世界こそ、そーいった古典的悲劇的「価値観」を描くのに実は打って付けだった…というコトそのモノが今作における一番重要な発見だったのではねーかな、と。そして、例え悪人=筋の通らない連中が非業の死を遂げてもソレは悲劇にはならないのもまた確かで、他方、作中で悲劇的に死んでゆく者達には何らか精神的な「負い目」が皆キッチリ用意されている、その意味では彼らは総じて「筋が通っている」人達なのだから、その彼らが揃って虚しく死んでゆくこの物語は立派に悲劇なのだ、と⇒若山富三郎はおろか名和宏すらも(結果的には)筋を通して死んでゆく…とゆーのは、構成としてこの上無く美しいな…と。  唯2つダケ、私が今作で批判しても好さそうかな…と思ったのは、一つは余りにも脚本の完成度が高すぎる故に(特に終盤が)逆に「出来すぎ」になってしまっている…という(どーしよーもない)部分ですかね。あくまで個人的な感覚ですがその終盤は、少なくとも曽根晴美と三上真一郎の殺し合いはオミットしても好く、あと寧ろ藤純子が湯ヶ島に来ちゃうのも少しやり過ぎだったかもな…と思いましたかね。まあ、どっちのシーンも単体での出来はまた素晴らしいし、かつ藤純子のシーンはオーラスのキメ台詞にも見事に掛けて来てるのだから(どっちも)ウマくやれてない、なんてコトは微塵もない⇒だから却って私のこの指摘の方こそが蛇足と言うべきヤツ…だとも(自分でも)思ったりはしてしまいますケド。。  もう一つ、今作はまた余りにもその任侠の任侠たる精神性を描き抜くという「非・娯楽的」な要素が強すぎて、娯楽映画としての任侠ものには(多分)なってないと思うのですよね。確かに、このジャンルでは頭抜けた傑作だと思いますし、多少この手の(単なる勧善懲悪ではない)作品の比率が増えていたとしても全然好かったとも思うものの、ソレでもこーいうヤツばっかだったらちょっと皆疲れちゃっただろーな、なんて思ったりもして…あくまで私個人としては、娯楽映画としての任侠映画の方が好みっちゃあ好みではありますかね(⇒ソコのバランスはワリと重視したい)。
[インターネット(邦画)] 9点(2023-11-03 11:30:27)
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