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アラン・J・パクラは、いったい何を考えて、この映画を撮ったんだろう? そもそもストーリーが一本化していない。今に至るまで火種の収まっていない北アイルランド問題を取り上げたかったのか、単に警官ヒーロー物にしたかったのか。どちらにも絞れなかったことで、ストーリーは、まったくチグハグになってしまっている。はっきり言って、構成がスカなら、脚本はベタベタの真っ黒。いっそ、ハリソン・フォードにおもねって、警官ヒーロー物に仕上げた方が、まだマシと、本作を観た当初は思った。が、久し振りに観た本作で、ピット=フランキーが映画の序盤に、「怒りに目覚めて、人は初めて関心を持つんです」と言った科白の直後に、「マンハッタンだ」と感嘆して言うフランキーの目前に、ツイン・タワーが見えるシーンが映る光景は、今となっては、ある意味、象徴的で、本作がもし、ピット=フランキーを中心にして、北アイルランド問題をもう少しでも掘り下げていれば、「怒りに目覚めて、人は初めて関心を持つんです」という科白と共に、かなり含蓄のある作品になっていたのかもしれないなぁと、今だから、思える。作品の出来を度外視すれば、ブラッド・ピットが出演した作品の中では、ブラピが一番可愛い作品だと思う。「リック」より、「テルマ&ルイーズ」より、「リバー・ランズ・スルー・イット」より、「ヒミツのお願い」より、なんだか、気合いを込めて可愛いと思った。
【由布】さん 6点(2003-02-23 23:35:20)
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