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どう評価していいものか、迷う。生と死、宗教観、戦争というものの狂気は、「人類皆兄弟。けれど、人類は皆、カインの末裔」ということか。そして、自然への畏敬と崇拝。戦争という狂気の狭間で、圧倒的に美しい自然と、大自然と共に生きる現地人を描いたのは、自然と共に生きる人たちこそが、あるべき姿と言いたかったのだろうか。時折りインサートされた妻との睦言は、正直言って苛々した(いっそ思い切って脱げよ!!って感じだった)が、「貴方がいないから悪いのよ」という離婚申請に至って、生活臭の無かった睦言の意味が分かるけど、これも長期戦争故の悲劇とはいえ、「おいおい」って感じだ。日本兵の描き方は、まあ、こんなもんでしょう。司馬遼太郎が「坂の上の雲」の中で、「歴史物は、どちらかの立場に拠って書くしかない」と言っているのを思えば、かなり日本人の感情に配慮してるなぁと、思う。でも、「史上最大の作戦」(だったかな?)でも、「降伏する」と言って手を上げて出てきたドイツ兵を射殺した連合軍兵士が「なんて言ったんだ?」「知らない」って会話があったけど、言語の疎通って、重要だなぁ。いろんな意味で、人の生き死に、戦争のリアルさ(先端が開かれるまでの兵士って、実際、焦燥と言う名の暇なんだろう)は凄いんだけど、3時間かけた割りには、シーンの繋ぎが目まぐるしくて、なんだか一貫性が無い。個人的には、かなり含蓄のある一作だとは思うんだけど、誰にでも薦められる作品ではないかも。
【由布】さん 6点(2003-03-05 01:12:07)
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