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《ネタバレ》 実際に起こった殺人事件を元に、ジェネレーション・ギャップを描いた、あるいは描こうとしたダークな青春ムービーで、友人が起こした殺人を巡る若者の心の揺れがテーマなんだけど、とにかく取っ付きは悪い作品だったなぁ。若手俳優のアンサンブル・キャストで、キアヌは初め、画面の端っこにいるのだが、いつのまにかリーブス=マットとミラー=ティムの兄弟の確執が、本筋を食ってしまっている感がある。ホッパー=フェックも確かに怪演なんだろうけど、ジェネレーション・ギャップを表わすには、存在が曖昧で分かりづらいのが難。とはいえ、警官や教師の、お定まりの説教じみた持論は、定型的過ぎて鼻に付く。その中で、キアヌの演技はとても繊細で、心の揺れの表現は凄い。家庭内の苛立ち、妹への気遣い、弟との軋轢。大人への反発をしながらも、悪ぶる弟には、やはり大人と同じような目で見ている葛藤が、友人の殺人を通報するという結果になっていく難役を、実に繊細に演じている。特筆すべきは、マットの弟ティムを演じたジョシュア・ミラー。殴ってやりたくなる憎ったらしさは、いっそ見事。それにしても、公園の一夜には、思わずのけぞった。キアヌの受け身のセクシャリティって、結局は、撮る側が、あの綺麗な顔に、ああいう表情をさせたいだけなのね(爆笑)。他人に薦められるかどうかは謎だけど、キアヌ・ファンには必見。
【由布】さん 6点(2004-03-21 22:04:48)
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