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《ネタバレ》 巨匠シドニー・ルメット晩年の作品ということで
鑑賞致しました。 往年の名作のような映像的重厚さはないものの、 彼の作家性は本作でも貫かれています。 それは言うならば、人間というのはそんな単純な ものじゃないんだから、簡単に白黒つけたり 偏見の目で見たりするのは良くないよ、 ありのままを見てくださいよっていうことです。 だからこそ、社会的には悪人のレッテルを貼られても おもわず肩入れしたくなる登場人物がルメットの作品には 出てくるわけで。本作の主人公、ディノーシオもやはり そんな人物。悪名高いファミリーの一員でありながらも、 彼の「仲間を裏切らない」忠誠心というものが、 やはり胸を打たれる。 ただ、原告側のおっちゃんも言っていたように、 ディノーシオのキャラだけで裁判が有利になったのも また事実だと思うし、あれだけ長い裁判だと陪審員たちも 被告人たちにだんだんと思い入れを強くしていくのでは ないかと思う。彼らが無罪になり心から喜んでいる様は 見ていて微笑ましいし、誰だって人の家族を バラバラにしたいとは思わないので、 情に訴える弁論させられると辛い判決は出しにくい。 裁判というものの難しさもまた現れていたように思う。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 6点(2012-11-04 17:59:45)
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