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レビュー情報
日本映画史に燦然と輝く傑作「飢餓海峡」に通ずる、まさに日本の戦後史の一段面を描いた力作。邦画としてはまだ珍しいイベント大作として製作され、公開当時大ヒットを記録した。松本清張の原作とは違い、映画はいわゆる推理ドラマとしてではなく、人間ドラマに焦点をあてた事で我々の感動を呼んだ。これは、橋本忍・山田洋次の脚本と脚色の功績であり、さらに当時、脂の乗り切った野村芳太郎監督の力技ともいえる演出が冴えわっていた事も、大きく貢献したようだ。特筆すべきは、幼いときの犯人と父親との二人が辿る遍路の道行きを、四季の変化の中で捉えたシーン。主人公の心情とその哀切感を鮮やかに描き切った、日本映画屈指の名場面となっている。ただ、俳優たちの何故か過剰な演技がやたら気になったものだった。
【ドラえもん】さん 8点(2003-02-12 01:04:41)
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