A.I. の ドラえもん さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > エ行
 > A.I.
 > ドラえもんさんのレビュー
A.I. の ドラえもん さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 A.I.
製作国
上映時間146分
劇場公開日 2001-06-30
ジャンルドラマ,SF,アドベンチャー,ファンタジー,小説の映画化
レビュー情報
この作品をS・キューブリックが撮っていたら・・・などとは言うまい。死んだ子の歳を数えるようなものであり、まさに無いものねだりと言うものだろう。かなり乱暴な意見だが、キューブリックはその才能のほとんどをすでに枯らしてしまっていたことは「アイズ・ワイド・シャット」でも見てとれるし、それを本人が一番良く分かっていた筈だ。それだけにこの壮大なストーリーを友人でもあるスピルバーグに遺言として託したのは当然の成り行きだったと思う。かつて「時計じかけ・・・」でM・マクダウェルがそうであったように、オスメント君とJ・ロウはこの作品のために生まれてきたような存在として感じるし、また夜空に浮かぶサイケな高速道路のイメージ・デザインや、そこを二人を乗せた若者たちの車が疾走するシーンは「時計じかけ・・・」だし、水没したマンハッタン上空をヘリで飛行するシーンは「2001年・・・」の月面上空を飛行する探査船とイメージが重なる。これらの視覚映像にこだわったのも、キューブリックに対しての敬意の表われだと思う。とりわけ海上のビル群をカメラが舐めるように飛行するスペクタクル・シーンは、「未知との遭遇」のマザー・シップの登場シーンに匹敵するほどの圧倒感があり、個人的にはこのシーンだけでもこの作品を観た甲斐があったと言うものだ。結末の捉え方によっては評価が分かれるところだが、少年デイビッドは母親と言うよりも、既に絶滅し、もはやクローン(もしくはバーチャルな世界)でしかその姿形を示せない人間そのものに涙しているのであろう。ロボットを造っておきながら、それらを否定するという人間のエゴと彼らに対する絶望感は、まさしくキューブリックの描いた終末観そのものだが、ファンタジックな優しさに包まれたエンディングにすることで、これこそが紛れもなくスピルバーグ作品だといえるのだ。
ドラえもんさん 10点(2001-08-05 16:35:30)(良:4票)
ドラえもん さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2013-04-06007/スカイフォール5レビュー6.50点
ダイ・ハード/ラスト・デイ8レビュー4.82点
2008-05-06長江哀歌8レビュー6.04点
2007-10-18ツォツィ9レビュー6.26点
2007-07-29世界最速のインディアン9レビュー7.41点
2007-07-29ブラックブック8レビュー7.43点
2007-04-29ポセイドン(2006)7レビュー5.87点
2007-03-18ディパーテッド9レビュー5.98点
2007-02-25それでもボクはやってない10レビュー7.60点
2007-02-18単騎、千里を走る。6レビュー6.64点
A.I.のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS