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レビュー情報
姿を見せない「私」なる人物から、ある日突然通訳ともども一人の日本軍兵士を捕虜として囲うことになった中国農民たちの戸惑いと困惑。言葉の違いによる珍妙なやりとりなどが面白おかしく描かれていき、やがて心を通わしていくという前半のコミカルなタッチからは想像も出来ないほど、ドラマの後半は一気に緊迫感漂うシリアス・ドラマへと変転していく。ここに終戦間際の両国の対照的な立場の構図が明確に浮き彫りにされていく。日本人も中国人も同じ人間であるにも拘わらず、まさに軍の規律・論理というものに翻弄されていく姿は、実に滑稽で愚かしく、そしてひたすら哀しい。中国側から両国を極めて平等にそして正当に描いた、おそらく初めての作品ではないだろうか。全編白黒スタンダードで貫かれているが、唯一カラーに転ずる幕切れの強烈さは実に効果的で、今年観た作品中、最も衝撃的で価値ある重要な作品として、興味が尽きることはない。
【ドラえもん】さん 10点(2002-07-29 00:17:49)
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