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レビュー情報
極限状況下における人間の心理を巧みに引き出せるという意味で、いわゆる“潜水艦モノ”は格好の映画的素材で、過去において優れた作品も少なくない。本作は、れっきとしたハリウッド大作でありながら、旧ソ連の潜水艦でのロシア人乗組員たちのドラマという点がユニークで、冷戦下における歴史に隠された秘話を、今日的な視点でどうしても一本の映画に記録しておきたかった製作者側の意図が、極めて明確なメッセージとして伝わってくる。彼らを演じているのがH・フォード以下、英語圏の俳優たちなので、喋っている言葉の問題は、映画のひとつの“約束事”だと割り切って見る必要があるが、勇気ある仲間たちを英雄視するような部分においてだけは、いかにもハリウッド調がモロに出てしまったようだ。ただ、映像的にはよく出来た作品で、画面からくる迫力と密室パニックのサスペンスなど、K・ビグロー監督の演出力の確かさを改めて感じさせられた。
【ドラえもん】さん 7点(2003-04-11 01:14:30)
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