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インターネットと携帯電話という通信手段を巧みに利用した、まさに現代身代金略奪物語といったところだが、金銭が本来の目的ではない事は明らかだ。復讐という共通の目的の為にこの偶然が招いた(かの様な)狂言誘拐劇を利用して「勝つか負けるか」といった、いかにもゲームを楽しむように実行していく主人公カップルは、あたかも現代の都会に生きる若者の象徴のようで、テンポ良くそしてスリリングに描かれていく様子は、壮快ですらある。誘拐される側が必要最小限もしくは想像上の描写しかされないのがミソで、話は二転三転と予測がつかない展開をみせる。結局ゲームは本当の決着がつくまで「やられたら、やり返す」という精神に徹している点、昨今の変な物分かりの良さでかえって不満を感じるといった作品が多い中、これはむしろ潔いし溜飲の下がる思いだ。しかし話はまだある。このクールな二人が果たして本当に愛し合っていたのだろうかという疑問が残る。再三出てくるハッとした表情も実は演技だったのかと考えると、恋愛ゲームとしての面白さも見出せる作品と言える。ラストの締めくくり方は少々カッコつけ過ぎかとも思えるが、終盤の映像トリックの面白さも十分効いていて、昨今流行りのトリッキーな作品群の中ではかなり良く出来た一本である。
【ドラえもん】さん 8点(2003-12-10 00:44:36)(良:1票)
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