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確かに映像は凄い(ようだ)が、かつて何処かで見たことのあるようなものばかりで、独自性というものがさほど感じられない。しかしそれにも増して、音楽や効果音といった音響や難解な科白がやたら耳障りで、昨今これほど“音”が“映像”の邪魔をしている作品も珍しいのではないだろうか。以前「息子のまなざし」という映画を鑑賞したが、極端なほど台詞を削ぎ落とし、一切の効果音を排した作品であるにもかかわらず、作者の主張は十分に心に響き感動すら覚えたものだった。本作はまさにそれと好対照で、実に多くの事を語っているようでいて、結局は何も語っていなかったのと同じではなかったろうか。電脳世界という設定もいい加減食傷気味で、ストーリーをやたら混乱させるという“効果”以外にないようだし、どうせならセリフをも含め音を排除したほうがイマジネーションも膨らんで、映像ともどもより楽しめたのではないかとさえ思う。しかし良くも悪くもこれが押井守ワールド。好きな人には堪らない魅力があるのだろう。なにやら“イチゲンさんはお断り!”と言われているような気がする。
【ドラえもん】さん 6点(2004-07-30 17:32:20)
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