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《ネタバレ》 この作品が優れているのは、双方の言い分がまったく違っていて、さらに調査を進めると・・・という「羅生門方式」を導入していること。単に38度線付近で兵士が交流しました、というだけでは、ここまで濃い内容にはならなかったでしょう。導入部で手際よく提示される双方の陳述書は、そのまま対立し断絶する南北構造そのものですし、そうであるからこそ手法としての必然性があります。そしてそのことが、例えば4人が打ち解ける中にも一触即発の危険性やぎごちなさを残留させ、現実の暗い影を終始落とし続け、全体を奥深いものにしています。その中でも制作側の「祈り」のトーンもあわせて持続しているのが素晴らしいです。
【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2003-03-07 00:02:58)(良:1票)
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