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《ネタバレ》 (1)小ネタとしては、キーボードの子にイエスの「こわれもの」を渡すにとどまらず、バックコーラスの子にフロイドの「狂気」を渡して「虚空のスキャット」を聴けだなんてやっちゃってるところ。それと、黒板いっぱいに書かれた「ロック人脈図」。これだけでドツボ。(2)そのような小ネタを挟みつつ、一番素晴らしいのは、ロックの原点を、素朴に、誠実に、脚本と演技という形で表現していること。そう、ロックの立脚点を一言で答えるならばそれは「反抗」以外にはありえないし、そこで歌うべきことは、単純な「心の叫び」でしかない(歌詞の題材なんかは何でも良いと思うが、出発点はそこであるべきだ)。そして、そのような出発点の下に、曲ができ、バンドができていく過程を、この映画はきちんと具現化しているのである。ついでに、ある日バンドをクビになったりとか、チラシを貼ってメンバーを募集したりとか、思いつきで曲ができあがったりとか、そういうバンド活動のディテールの描写も実にリアル。(3)ジャック・ブラックがはまり役なのは当然だが、ジョーン・キューザックのサポートぶりも見事。「くそ真面目だけど実はスティービー・ニックスで踊り出します」なんていう人格の表現は、この人にしかできません。ただし、サブキャラはあと1~2人いてもよかったと思うけど。(4)全員の演奏シーンが感動的なのはもちろんだが、キーボードの子には、もう少しロック的な弾き方をきちんと教えてほしかったな。
【Olias】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-10-17 01:42:07)
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