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《ネタバレ》 私も30年来のファンで,番外編2作も含めシリーズすべて見てきましたが,シリーズ全体を俯瞰してみるとやはり時代と共に変化してきたものの多いことに改めて気づかされます。洒落た身のこなしと気の利いた気障な科白といったものを現代のボンドに求めることは酷なのかもしれないし,シリーズ最大の特徴と言うかウリだった荒唐無稽な設定とド派手なアクションは,CG等撮影技術の長足の進歩によって,何も本シリーズを見なくても,他にいくらでもそれらがより効果的に使われた作品があることでしょう。何よりも,かつて(と言っても私の場合,さすがにリアルで接したのはムーアのボンドからですが)胸躍る思いで新作のボンドに対していたわくわくするような期待感も,もはや過去のものとなってしまったことが何よりも残念でなりません。冒頭の北朝鮮侵入と抑留~捕虜交換の場面なんか(私もロビンソン・クルーソーかと思ってしまった),昨今の国際情勢を考えるとあまりに生々しすぎて(東西冷戦下でもここまでリアルじゃなかった)007らしさが感じられなかったし,英国諜報部全体を敵に回してしまうという設定に関しても同様。後半のグリーンランドのシーンも皆さんが仰るようにCGの多用によって却って臨場感が希薄なものになってしまったような気がしてなりません。毎度お約束にしてお楽しみのボンドガールに関しては,個人的にハル・ベリーは好みじゃなく,敵のボンドガールの方が○。最後の北朝鮮上空で,本当にフェラーリ246とランボルギーニ・カウンタック(ディアブロ?)本当に壊していたみたいなので,実に勿体なし。と言うことで,前作の「ワールド・イズ・ノット・イナフ」よりも印象に残らず,シリーズ全体でも下位の作品となってしまったことが実に残念です。次作に期待できそうもない気持ちにさせられたことが一番辛いです・・。
【koshi】さん 5点(2004-01-04 13:28:29)
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