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岩井俊二の世界炸裂。まさに彼にしか作れない世界です。初めからびっくりさせられたのが、役者の演技。それはまるで映画というよりはホームビデオを見ているかのように、1つ1つの台詞が自然過ぎて驚きました。そして何といってもあの色彩の美しさ。これは日本映画でしか味わえませんね。桜がヒラヒラと舞う小道を花とアリスが笑顔で歩いていく。なんて美しいのでしょう。鳥肌が立ちました。それにきれいな光が射す数々の場面。美しすぎます。見ているうちにどんどん彼の世界に惹きこまれて頭がボーっとしました。不思議な麻酔にでもかかったような錯覚。なんてことのないストーリーなのだけれど、その背景にある演出が素晴らしいのです。音楽もまたその1つ。監督自ら作曲したあの懐かしさを憶えるメロディーが2人の少女の美しさと重なってまた麻酔が体に伝わっていく。心ここにあらずのまま私は2時間と少しを過ごしました。アリスと父親のシーンが感動的で自然と泣けてきました。そしてあのアリスのバレエシーン。これはもう自分の目で確認していただきたい。本当に美しいです。キャストもバラエティーに飛んでいて楽しかったです。なにげない日常を岩井監督独自のスケールで描いている映画です。少女時代を思い出したい時期が来たらもう1度見ます。
【未歩】さん 8点(2004-03-31 21:51:37)(良:1票)
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