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お馴染み、ジャック・ヒギンズの大々出世作『鷲は舞い降りた』の映画化。小説の内容上、必然的にアノ俳優もコノ俳優も、ドイツ軍人役として出てくるのが、妙に面白かったりします(普通ならドイツ軍人役なんて、ただの殺され役)。さらにその中で、普通なら一番ワルそうなドナルド針の目サザーランドが、ドイツ人ではなくIRAのリーアム・デヴリン役を何とも楽しそうに演じております。さて主人公のシュタイナはといいますと、何でも屋ことマイケル・ケインが演じている訳ですが。逃亡しようとしたユダヤ人女性を彼が助ける場面が印象的。部下たちがさっと武器を構え、彼を援護するシーンのカッチョよさ。この場面、小説ではもっとシュタイナの個人的な活躍が強調されていたように思いますし、ユダヤ人女性も一応は逃亡するんですよね? それが映画では、部下による支えが強調され、空気が引き締まるシーンになっていますし、結局女性が射殺されてしまう、という顛末も、本作の徒労に満ちた物語を暗示していて印象を深めています。ただ、映画の最後までこの調子で行ければよかったんですが・・・何だかだんだん、シュタイナの影が薄くなっていくのが残念。シュタイナを「観る」という部下の視点がもう少しあれば、良かったかも。何せ、ただでも「マイケル・ケイン」なもんで、いかにも頼りないんですから、もう少し周囲が盛り上げてあげないとね。最後まで、デヴリン=サザーランドの活躍ばかりが目立っちゃったかな。でもまあ全体的には、手堅い感じが好感のもてる、シブくまとめた映画でした。
【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-03-29 23:15:57)
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