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《ネタバレ》 パッとしなかったボクサーがチャンスをつかむという点、ロッキーみたいなオハナシなんですけれども、コチラはあくまで実話がベースなんですよ、と。ロッキーのパクリでも何でもないんですよ、と。確かに私も実話と言われりゃチト弱いんですけど、一方で実話が制約にもなったりしかねない訳で。だもんで、本作も「いえいえ決して実話ということに寄りかかってはいませんよ」とばかりに、クリスチャン・ベールが念の入った役作りをしたり、マーク・ウォールバーグが引き締まったボクサー姿の一方で腹の出たたるんだ姿を見せつけてこちらも役作りの徹底ぶりをアピールしてみせたり(エイミー・アダムスの腹が出ていたのも役作りなのかどうなのか)。と、皆さん身を削って本作に打ち込んでおられるのですが、映画のラストになって「ああきっと本作のモデルになったご本人がラストに出てくるんだろうなあ」と思っていると、やっぱり本当に出てきて、しかも(劇中で自分がこんな風に描かれていることも一向に意に介さず)いい味出しまくってる、俳優がいくら頑張ろうと、最後にご本人にすっかり食われちゃいました。
それにしても、本作のボクシングシーン、もうひとつ迫力に欠けていて(このいかにも「本当には戦っていません」という感じが・・・)、盛り上がりきれず、これも実話ベースゆえにあまりアホで派手な演出はできなかったという一種の制約なのかも知れません。となると、一番迫力があったのは、あのお母ちゃんですわな。まさに妖怪。このお母ちゃんがいて、あのお兄ちゃんがいればこそ、ウォールバーグの不器用そうで一途な表情が光る。家族に囲まれ、恋人もいて、でも時にファイターは孤独なのだ、とその表情が語る。そこが、いいですな。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-12-02 00:13:21)
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