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正直、ノリのあまりよろしくない映画ではあります。それは低予算ゆえの面もあるだろうし、説教臭さゆえの部分もあるかと思います。ナチスを笑い飛ばす映画ではなく、ナチスを引き合いに出して「現在の世界も充分、ヒドくないですか」と露骨な風刺を展開してみせる。風刺が全面に出過ぎていて、ちょっと鼻には付きます。しかしその一方、我々はまた、実写版宇宙戦艦ヤマトを引き合いに出して、「こんなに頑張ってる映画もあるのよね」と、何か嫉妬に近いものを感じたりもするのです。実にスバラシイ戦闘シーンではありませんか。なお、宇宙戦艦“神々の黄昏(Goetterdaemmerung)”の名前はもちろんワーグナーの『ニーベルンクの指輪』を締めくくる作品の名前なんでしょうが、いきなり第3幕第2場と第3場の間奏曲“ジークフリートの葬送行進曲”で映画は始まります(アイポッドに『指輪』を突っ込んで来る日も来る日も聞き続けると、この葬送の場面、本当に感動するのです、「ああ、やっと終わる」と(笑))。で、登場する子供たちの名前も『指輪』にちなんだだったりする上、映画はしっかりちゃっかりと“神々の黄昏”たるヴァルハラ炎上のごときオチを迎える。という、えらく生真面目な作品なのでもありました。ってか、あの神々の黄昏号って、まさに『さらば宇宙戦艦ヤマト』で白色彗星帝国から出てきた巨大戦艦やね。いいなあ。
【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 7点(2013-08-15 20:28:14)(良:1票)
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