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「十七人」とはちと多く無いですか? 100分の映画なら一人あたり6分しか持ち分が無いですやんか。いえいえ、この数字は、捨て駒として露と消えてゆく忍びの者のはかない命を表しているのです。これがおサムライさんだったら、一人ひとりの存在感も高く、『三匹の侍』あるいは悲壮感が増してくると『七人の侍』『十一人の侍』『十三人の刺客』と人数も増えてくる。忍者はそれ以上に“消耗品”扱いなんですな。「カシラが死ねと言えばいつでも死ぬ、それが掟」。なお、さらに人数が増えると「101匹わんちゃん」とか「2000人の狂人」とかになる訳で、“忍者”の置かれているポジションが数字によく表れていますね。さて本作、いやこれは面白いですよ。密命により、城にある連判状を盗み出す決死の作戦に挑む伊賀忍者隊。片やこれを待ち受ける城の防衛を指揮するのは、根来忍者・才賀。彼の鋭い読み、鉄壁の守りに対し、伊賀忍者たちは仲間の命を犠牲にしながら隙を窺うが……はたして、連判状奪取作戦の行方は、いかに。十七人もいた仲間が次々と命を投げ出していく大胆な消耗戦、ある意味大味な展開の一方で、城への侵入の模様などの“忍術”をディテール豊かに描いて見せる、その対比が面白くてワクワクします。伊賀忍法と根来忍法、勝つのはどちらか。敵の忍者・才賀がえらくキャラ立ちしていて、忍術使いというより妖術使いに見えちゃうのですが、“忍術”とは言っても最後にモノを言うのは、腹の探り合いであり、自分の命すらかえりみないヤセガマンであり。またそれこそ最後に勝敗を左右するのは、人望とか仲間内の結束力とかであったりする訳で、ビジネス指南映画としても最適でしょう…?。
【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 9点(2013-01-20 08:24:04)(良:1票)
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