キック・オーバー の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

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キック・オーバー の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 キック・オーバー
製作国
上映時間95分
劇場公開日 2012-10-13
ジャンルアクション,刑務所もの,犯罪もの
レビュー情報
メル・ギブソンという人は、映画の中でよく走っているという印象。いや「よく」と言っていいのかどうかはわからないけど、少なくとも彼の走っている姿というものが結構、印象に残ってるのですが、実際、すっかりいいオジサンになり、こういうグータラな映画のグータラな役を演じていても、やっぱり走るシーンってのが登場して、ああ、ガンバってるなあ、と。さすがに、マッドマックスやリーサル・ウェポンでの走りほどの迫力は無い、オジサン走りですが。
映画はいきなり、大金を奪ったメル・ギブソンが警察に追われる場面から始まり、国境を越えてメヒコ側でとっ捕まる。入れられた刑務所がとんでもないところで、悪が支配する何でもアリアリの、ひとつの街といった感じ。で、そこで逞しく生きる母子と知り合い、彼らの将来を待ち受ける暗い運命に対し共に戦うことになり、さらには例の大金にまつわる争奪戦にも巻き込まれていく。という、何だかとてもよくデキたオハナシなんですが、もうひとつ見せ方に工夫が感じられず、気持ちが乗りません。刑務所(とは思えないスゴいところですが)のバッチイ感じはよく出てるし、そういう中でも必死で生きている人々の生命力も感じさせて、さらにそんな中で、一人称で語りつつも素性の知れないメル・ギブソンがちゃっかりとたち回る姿、いかにも舞台は一通りそろっているのですけれど、普通にイマドキの演出が繰り返されるだけで、どうもメリハリが無い。せっかくのルチャリブレのシーンなど、客席で会話している光景なんてどうでもいいから、もうちょっと試合の方をカメラに収めてくれたらいいのに、ねえ。
いっそこのまま盛り上がらなかったら、ケチだけつけて終わろうものを、シャクなことには、メル・ギブソンが傘を持って現れる一連の場面が何ともシャレていて、さらに腹が立ってくる(笑)。くそ、面白いじゃないの。
こういうのを、映画の中でももっとやって欲しかったな。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2016-11-27 08:40:10)
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