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レビュー情報
主人公であるアパッチ族の青年マサイをバート・ランカスターが演じていて、先住民の俳優ではないのが、製作された時代の制約なのかも知れませんが、彼の身体能力を駆使したこの演技を見ると、彼の起用は大正解だとも感じさせます。先住民たちが白人たちとの共存の道を選ぶ中、白人社会に背を向け戦い続ける主人公。映画は決して彼に対して同情的な視点では描いておらず、その頑なな態度を、いかにも頑なに描いている。差別され疎外される側の立場を変に理解を持って描くよりも(つまり白人の視点に「翻訳」するよりも)、この映画の描き方の方が、より誠実とも言えるでしょうし、何よりも、善悪や好悪という視点ではなく、信念に生き行動に生きる主人公の姿をそのまま我々の前に描きだすからこそ、我々は心を打たれるのです。そして、彼を単純に支えるのではなく、彼と対峙し、彼に影響を与え続ける先住民の女性。戦いを通じ、また彼女との関係を通じ、自らの手で生きる道を選び、掴み取っていく主人公、バート・ランカスターという俳優の肉体を得て、見事な存在感を示しています。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2014-08-24 14:29:36)(良:1票)
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