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ニコラス・ケイジ&ジョン・キューザックのお馴染みゴールデンコンビで贈る、サイコサスペンス。一方が変質者の犯人役で、もう一方がそれを追う捜査官役、ってんだから、どっちがどっちの役をやるのがよいか、迷ってしまいます。できればお二人とも、変質者役をやってもらいたいところ。
とか言ってふざけてる場合じゃないですね、なにせ、現実に起きた悲惨な事件をもとに作られた映画。なんだそうですから。 こういうのも、難しいですね。事件からどのくらい経てば、「映画化」が倫理的に許容されるのか。ふざけたことを書くヤツの言うことじゃなかろう、と言われたら、おっしゃる通りなんですが。 さて、作品ですが、やたらと画面手前の人物をナメるように撮影するカメラが、ちょっとやり過ぎ感があって、正直、これは見にくいだけなんじゃないかと。そういうシーンが繰り返されるにつけ、いささか気を削がれます。 しかし、あくまで硬派なサスペンスとして仕上げているのには、好感が持てます。中には、破綻寸前だから面白い、という映画もありますが、この作品は手堅くまとめた印象で、題材がセンセーショナルなだけに、バランス感覚としては好印象。 とは言え、映画であって、ルポルタージュではない以上、そこには脚色、演出が盛り込まれるのですが、ニコラス刑事の捜査と並行し、事件発覚の発端となった女性(シンディ)の危難を物語のもう一つの軸として取り上げることで、事件を「進行中のもの」として描いています。すでに殺害された被害者の姿を描く場面があり、ではこれもシンディの過去の回想シーンかと思いきや、実は現在を描いたシーンであった、という、まるで過去のシーンに現在のシーンが混ざるような仕掛け、時間の行き来が、ちょっと意表を突きます。 アラスカが事件の舞台、ということで、映画の景色にも寒さがしみわたり、一種の地の利とでもいいますか、雰囲気が出ています。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2023-09-30 06:52:46)
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