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妻殺しの容疑をかけられ一度は逮捕されながら脱走し、警察の追手をかわしながら真犯人の行方を追う、リチャード・キンブル医師の艱難辛苦の日々。って言ったって、この映画におけるキンブル医師の逃亡生活、その期間はどれほどのものなのか? どのくらいの逃亡期間を設定するのが適当なのか? どのくらいの逃亡期間が適当だと製作者は考えているのか? その辺りの曖昧さが、本作をいささかシマラないものにしている一因かとも思います。苦難の長い歳月を思わせる「何か」があってもよいかと思うのですが……せっかく「この俳優、誰?」というヒゲモジャで登場したキンブル医師、ヒゲをそったらたちまちお馴染みのハリソン・フォード顔になり、そうなりゃもう、後の彼はアクション要員。明日をも知れぬ逃亡生活どころか、犯人追跡の手を容量よく着々と推し進め、ほどよくアクションも絡めてみながら解決へとまっしぐら。もはや、冤罪で捕まって逃亡するために生まれてきたような人、とでもいいますか。製作者が、キンブル医師の逃亡生活にあまり関心が無いんですね。むしろ関心は、彼を追うジェラードの方に注がれていて、登場シーンもやたら多いし、おいしいセリフも彼が殆ど持って行ってしまってる。このジェラードを中心にした作劇、ある程度は成功していると言ってよいのでしょう、確かにハリソン・フォードよりもトミー・リー・ジョーンズの方が強い印象を残します(実際、この映画、何度観ても主人公の印象が薄い)。でもね、このジェラード役、主人公の「好敵手」という位置づけである以上は、こういう微妙なところのあるキャラじゃなくって、もっとエキセントリックなキャラにして、それをボーグナインみたいなアクの強い役者が演じてくれてたらなあ、とも思うのです。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-11-27 22:10:56)
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