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シリーズ第7作。これまでにも「懲役十三回」だの「傷害恐喝十八犯」だのというコケオドシのタイトルがついていましたが、ついに二人合わせて30犯。とは言っても、劇中のセリフを聞いていると、一人で20犯くらいいってるとのことなので、これでも実は控えめの数字なのかもしれない・・・と言うより、完全にナンセンスなタイトルなんですけれども、そんな作品の監督がなんと、あの集団抗争時代劇の工藤栄一というのだから、この世の中、裏ではどういう力学が働いているのやら、わかったもんじゃありません。
とは言え心配ご無用、兄貴分の菅原文太が出所する冒頭から、タイトルに負けないアホらしいドタバタが展開されていきます。しかし一方で、その出所のシーンにおける、逆光によるシルエットの描写などに、シリアスな空気も醸し出したりしていて。 以降も、表向きのアホらしさのその裏で、逆光や、あるいはリンチシーンのスローモーションなどでもって、魔の手が忍び寄ろうとしている不気味さみたいなものを感じさせたりします。 菅原文太とともに孤児として育った弟分・川地民夫が、実は資産家の息子だった、、、という展開で、生き別れた母という人物を訪問する二人が、大抵宅の前で小さく撮られている、そのユーモラスさ、しかしその裏で何かを企んでいる成田三樹夫と渡辺文雄の影、という二重底の構成。意外にこれ、シリアスなんです。 そして一種のラブストーリーでもあったりする。親子愛、ってのもあるけれど、不器用な男女の愛もまた展開され、意外にこれ、王道なんです。 まさかまさかこんなタイトルの映画で泣いちゃったりしないよう、心して、見るべし。 【鱗歌】さん [インターネット(邦画)] 8点(2024-11-23 17:22:22)★《新規》★
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