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「セリフ無し」ってのが、挑戦的なようでもあり、映画の宣伝用のギミックのようでもあり、では実際のところどうなのかというと、やっぱりこれは、セリフ無しでならではの世界、ですね。セリフが無いことによる距離感が、このファンタジー世界をむしろ支えていて、また何事も断定することなく「解釈のブレ」も許容している。セリフが無いからこそ受け止めやすく、これ、もしもセリフ入りだと逆にちょっとキツかったりして。
登場人物の顔は極端に簡略化されて(目はただの点で、白目もない)表情が奪われており、その分、全身の動きが精密なアニメーションによって描きこまれています。 物語は、ツルの恩返しならぬカメの恩返し、みたいなところがありますが、別に「恩返し」という訳でもないし、上述のように映画の中では何も断定していない分、色々な受け止め方ができると思います。私は、手塚治虫の「火の鳥」の世界観に似たものを、ここに感じました。 あのカニたちは、男が島に流れ着くずっとまえからそこにいて、この先も未来永劫、ここに住み続けるんですよね、きっと。 【鱗歌】さん [DVD(字幕なし「原語」)] 8点(2019-09-15 10:09:37)(良:2票)
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