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フリークショー、などという昨今なかなか映画の題材には取り上げにくいテーマを、とことん前向きなミュージカルで正面突破しているのがまず、大したもの。脚色は多々あれど、意外なくらいに実話ベースの部分も多かったりして、映画観終わった後では、色々と考えること・考えさせられることがあってよいと思いますが。
マイノリティたちの哀しみと、それを乗り越えるエネルギーの力強さ。 しかしそれもこれも、まずはこのミュージカル映画としての手腕があってこそ。劇中、時間なり場所なりが思い切ったジャンプを見せて、こういうのはまさに映画の特権、自由に時空を飛んでみせ、重力からも解放され、場合によってはスローモーションで時間を自由に伸び縮みさせたりもする。だけど何から何まで自由勝手なんじゃなくって、ミュージカル映画として、「リズム」がこの映画を支配しているかのようです。「リズム」には登場人物たちも逆らえず、時には彼らの動作すらが拘束される。だけどそれが不自由なのではなくって、グラスの音が刻むリズムが次の音楽へ繋がって行ったり、新たな流れを生み出していくのが、実に心地いいのです。 ヒュー・ジャックマンというヒトは、映画ではウルヴァリン役に代表されるようにアクション俳優の印象が強いけど、出自はミュージカルらしく、本作でも歌って踊って、若い連中には決して引けをとっていません。 ミュージカルとしての魅力が詰まった作品です。 【鱗歌】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2020-03-20 03:35:43)
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