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まず、吉永小百合と阿部寛が(母と子ではなく)夫婦だということが、すぐに呑み込めなくって。親子にしちゃいやにラブラブに見つめ合ってるなあ、と思ったら、なんと夫婦なのでした。まあ、これが最終的に、息子役である堺雅人と向かい合う場面につながるんだから、いいんでしょうけど。
いやホント、何とも言えんのです。吉永小百合、さすがに小中学生の母親には見えないし、と言って、認知症の入った老人にも見えないし。というワケで、我々観る側の順応性が問われます、ハイ。 まあ、もともと本作、リアル一辺倒じゃないんです。ところどころの場面では、「舞台劇」として物語が描かれます。しかしこの構成が、成功と言えるかどうか。 そもそも、ちょっと内容が盛り沢山過ぎ、欲張り過ぎ、かな、と。後半、息子とさまざまな場所に行き、あんなことがあった、こんなことがあった、と苦難の人生が語られていくのですが、我々にしてみれば馴染みもなにもない場所で、細切れにエピソードを見せられ、雑多な印象。唐突に、雪道で行き倒れになりそうになる回想シーンが挿入されたりするともう、実際にそういうことがあったと言いたいのか、一種のメタファーとしてのシーンなのか、区別がつかなくなって。ここにさらに「舞台劇」の挿入、ともなると、印象はボヤけるばかり。 2人の息子のうち、物語の途中で長男が登場しなくなることが、物語のポイントとなりますが、これもいささか説明的。一方で、桜の木というのもポイントなんだろうけれど、もうひとつ思い入れが感じられない。 2時間あまりの上映時間ではとても描き切れない苦難の数々、ってなコトなんですかね。もしそうなら、そもそも映画に向いていない題材、ということになりますが。 でも、堺雅人は、イイですねえ。なんというか、あのイヤらしい視線(笑)。これも一種の色気でしょう。 それにしてもデカい、阿部寛。 【鱗歌】さん [映画館(邦画)] 5点(2018-08-05 16:26:24)
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