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某レンタル屋を覗いてみると「面白くなかったら返金します」キャンペーンをやっていて、その対象作品が、よりによってこの『ジャガーノート』とは。ちょっと心配、でもニコニコ。逢坂剛『百舌鳥の叫ぶ夜』なり、藤原伊織『テロリストのパラソル』なり、野沢尚『魔笛』なり、爆弾モノにハズレ無し、と個人的に思い込んでいるのですが、その原点ともいうべき作品ですね。豪華客船に仕込まれた爆弾と、それに立ち向かう爆弾処理専門家との、静かで息詰まる死闘。「ナンボなんでもこんな手の込んだ大量のドラム缶爆弾を誰にも気づかれずに船に積み込むのは無理やろ」とか「犯人は、船が嵐に巻き込まれて乗客が逃げられなくなることまで予想していたのか?」など、しょーもないツッコミをしてはいけません(そういうケチをつけてレンタル屋に返金を要求してはいけません)。ただただ、緊迫感に満ちた爆弾処理が微に入り細に入り描かれる過程の、そのサスペンスを堪能すべし。配線を切断する瞬間の恐怖。爆弾に仕込まれた数々のトラップの不気味さに対して、それに立ち向かうのは、無機質な工具の数々。それらを操り冷静に作業を進めるリチャード・ハリスが、めちゃカッコいい。最後に行きつくのは、『魔笛』でも語られていた通り、赤か、青か。まさに永遠の課題、永遠のスリル。ところでどうでもいいことだけど、犯人の“ジャガーノート”の電話の声を聞くと、正体は“まんが日本昔ばなし”の常田富士男としか思えないのですが。
【鱗歌】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-08-15 22:37:39)
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