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鶴田浩二演じる主人公、今ではカタギになってステーキハウスのオーナーやってるけれど、ある日、速水機関とやらのボス・藤田進に呼び出され、一回限りの約束で、下部組織の麻薬密輸のテコ入れを引き受けることになる。が事はそれだけで終わるわけもなく・・・。
ってオハナシですが、やっぱり鶴田浩二のド真面目顔はステーキハウスのオヤジにしか見えず、この顔で麻薬取引だの何だのと言われても、正直、違和感は拭えないんですけれども。ただ、まあ、金子信雄よりはスゴ腕のキレ者なんだろう、ってのは確かに、見れば充分伝わります。 こんな優秀な人材を組織が簡単に手放す訳もなく、一回限りの約束のはずが、深みにはまっていってしまう鶴田浩二。 内なる復讐心を胸に秘め、ついに鶴田浩二は組織の殲滅を図ることになるのが、お約束のクライマックス、なんですけれども、藤田組と金子組をタブらかして互いに戦わせよう、っていうズルさが、『用心棒』のミフネなら許せても、これが鶴田浩二だと「その顔で、なんて卑怯なんだ」と言いたくなってしまう。二枚目のツラいところ。 ズルくても何でも、その結果、クライマックスはしっかりと一大銃撃戦へと相成りますので、その辺りはご勘弁を。 という訳で、主役はもうちょっと二面性を感じさせる俳優さんの方が良かったのでは、という気もしますが(中国人役の安部徹はさらに似合わない気もしつつ)、一方で、西村晃は見事にハマリ役。主人公を慕いつつ、しかしついつい要らぬ事を仕出かしては主人公に迷惑をかけてしまう、まさに、疫病神そのもの(笑)。彼と主人公の何とも言えぬクサレ縁を目の当たりにすると、この映画の主役はやっぱり「面倒見良さげ顔」の鶴田浩二でよかったのかな、という気もしてきます。どっちやねん。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2019-07-13 09:34:00)
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