TENET テネット の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

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TENET テネット の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 TENET テネット
製作国
上映時間150分
劇場公開日 2020-09-18
ジャンルアクション,サスペンス,SF,スパイもの
レビュー情報
《ネタバレ》 「人が食事をしているシーン」を逆再生すると何だかグロテスクな光景になるけれど、それではすでに充分グロテスクな「人が排泄しているシーン」を逆再生すると逆にグロテスクではなくなるのか、というとそんな事はなくって、おそらく数倍グロテスクになっちゃうのであろう。これは大変不思議なコトだ。と一瞬思ったけど実はそんな事もなくって、要するにウンコとはそういうものなんだ。
ってな事はこの映画とは何の関係もないけれど、アクションシーンを単純に逆再生にしただけで、そこそこ面白いシーンに化ける、というのが意外な盲点で、それを大真面目に全面的に取り上げた、ありそうで無かったタイプの作品、と言えるかとは思います。
ただ、これはもう誰もが感じる通り、ストーリーの提示の仕方は、不必要なまでにゴチャゴチャしてます。最後まで観たら、正直、そんな大したオハナシではなかった、という気もするのですが。物語の収束点が予想以上にショボい。
ゴチャゴチャしてる中に、さらに謎の逆再生アクションシーンが挿入されると、もはや何が何やら、という事になりかねないけれど、後半、主人公自身が時間の逆行に身を投じることで、謎のシーンだったものの背景が解き明かされていく。というシステムなワケですが、過去の「?」なシーンに対する納得感とそれに伴うワクワク感、で言うなら、例えば『カメラを止めるな!』などの方がよほど成功していると思います。本作は、後半、いくらオハナシを単純化しても、最後までゴチャゴチャしてて野暮ったい。
「反物質は時間を逆行しており、物質とぶつかると対消滅する」などというブルーバックス的なネタも取り入れられているけれど、特にサスペンスにはつながらず、大した効果を上げていないし。
とは言え、まあ、逆再生というバカバカしくも魅力的な映像を武器にしつつ、こうやって多少イライラさせるようなものを我々にぶつけてくる、というのも、貴重と言えば貴重。しかも新型コロナウィルスの影響で大作の延期が続く中での公開。心意気だけは買いたいですね(←映画自体は買わくていいのか?)
冒頭のコンサート会場のシーンで、オーケストラがチューニングらしからぬ音を立てていて、不安を誘う一種のBGMのような効果を上げています。それ以外の音楽は、何だか、ヘンだったけど。
鱗歌さん [映画館(字幕)] 6点(2020-09-20 04:55:11)
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