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《ネタバレ》 1作目で提示された未知の「驚き」が、2作目となると既知の「前提」となってしまう。その点で、続編ってのはそもそも不利、何なら、なんでわざわざ続編なんか作るんだよ、ということになっちゃう。
では、なぜわざわざ続編を作るかというと、わざわざ続編を見たがる我々がいるからですね。すみません。 しかし単にそれだけではなく、この「エスター」なる人物を、前作をほぼ完全に踏襲しつつも、少し違う角度から描いて見せたのが、この『ファースト・キル』のモチベーションであるように思われます。 それにしても。 当人がまだ若かった頃にはちっとも面白いと思えなかった漫才師が、その後芸風を変えた訳でもなさそうなのに、今見るとえらく面白かったりして、そこにはいろいろな理由はがあると思うんですが、やはり「芸に年齢が追い付いてきた」ってのも、大きいのではないかと。若い頃にやっても難しいネタ、ってのは、やっぱりあると思います。もちろん、その逆もあるだろうけど。 それとこれとを一緒にするな、と言われそうですが(ははは・・・)、今回も「エスター」を演じるイザベル・ファーマン、ようやく、役に実年齢が追い付いてきたような。って言っても、前作は前作で、別の意味での「役≒実年齢」が物語の意外性に一役買っていた訳ですが、今作は絶妙な特殊効果の助けもあり、全編を通じて不思議な雰囲気をもたらしています。「エスター」という人物が持つ、体格と表情との間のアンバランス。違和感があるのかないのかよくわからない、という違和感。とでも言いましょうか。 正直言うと、シーンによって「エスター」の身長が違うんじゃないの?とか思っちゃったりもするのですが、そんなのは些細なことだとも思えてきて。微妙な違和感は、作品を貫く不安感へと昇華されていきます。 後半の展開は、賛否両論あるところだとは思いますが、ゴジラだって2作目からは怪獣対決ですから、まあ、アリなのでは。前半でいかにも伏線ですよ、とチラ見せしたアイテムを、終盤あわてて再投入する伏線回収も、ご愛敬。 全体的に、表現としては抑制されていて、引いたカメラがかえって邪悪さをあぶりだすような効果を上げています。ただ、「階段」とか「屋根の上」といった平衡感覚を狂わせるシーンをやや無造作に挿入するのが、不安を誘うというよりは視覚的な混乱に繋がっているようで、ちょっと残念な気がしました。 【鱗歌】さん [インターネット(字幕)] 7点(2024-10-06 06:26:12)
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