女王蜂(1978) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > シ行
 > 女王蜂(1978)
 > 鱗歌さんのレビュー
女王蜂(1978) の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 女王蜂(1978)
製作国
上映時間139分
劇場公開日 1978-02-11
ジャンルサスペンス,シリーズもの,犯罪もの,ミステリー,小説の映画化
レビュー情報
《ネタバレ》 市川崑&石坂浩二の金田一シリーズ4作目になる訳ですが、ここまでが、犬神家の一族・悪魔の手毬唄・獄門島と、どれもこれも一種の見立て殺人モノなもんで、私も子どもの頃には、「金田一モノって、もしかして全部同じパターンなのか?」とか思ってたりもしたんですけど、この4作目『女王蜂』ではちょっと趣向が変わって。
見立てらしい見立ては無く、アヤシイ脅迫状が届くだけの、正直、映画化するにはちょっと地味な作品。特定のローカルな地域を舞台を限定せず、作中で舞台がアチコチ移動するのがまた、雰囲気を出しにくいところでもあります(ついでに言うと、原作では事件の発端となるのが月琴「島」だけど、映画では月琴「の里」と変更されて、これまた雰囲気が掴みにくい。さらには中盤の舞台を京都に変更しており、ちょっと移動し過ぎの感も)。
さて、多彩な登場人物の中で、犯人は一体誰なのか。
ってったって、約3名ほどの方は、過去の3作品で〇〇役をすでに演じたヒトたちなので、まさかまたこのヒトたちが〇〇ということはあるまい。いや、その裏をかいて、実はまた〇〇なのではないか・・・とかいう深読み・浅読みも、ご自由に。
ラストの真相が明らかになる場面は二段構成になっていて、これはちょっと原作に近いのだけど、原作では最後の惨劇の後で真相が語られ、ミステリとしては工夫っちゃあ工夫だけど、何となく、死人に口無しの欠席裁判めいたイヤな感じもあって。その点、本作の方が、疑問を感じる余地のないスッキリした真相の提示になってます。だけど、その分、終盤が蛇足めいてしまったのが皮肉なところ。
それにしてもこの映画、ミステリ作品としては、どうなんでしょうねえ。奇抜な映像表現で遊びまくる一方、肝心の事件や人物関係の描写があまり丁寧ではなく、作り手もあまり「推理」というものには興味が無かったのではないか、と。さらに言えば、単に、加藤武をまた登場させたかっただけなのではないか、と。
鱗歌さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2020-08-17 20:56:35)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2024-04-27沈黙のテロリスト7レビュー2.40点
回路8レビュー4.96点
2024-04-21新・座頭市物語7レビュー7.15点
2024-04-21ハート・オブ・ダークネス/コッポラの黙示録7レビュー7.27点
2024-04-14片腕必殺剣7レビュー6.33点
2024-04-07ゴーストバスターズ/フローズン・サマー7レビュー5.25点
2024-04-07わが青春のアルカディア7レビュー3.90点
2024-03-31ソニック・ザ・ムービー6レビュー6.44点
2024-03-31ジョン・ウィック:パラベラム8レビュー6.55点
2024-03-30ウホッホ探険隊5レビュー6.07点
女王蜂(1978)のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS