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ウェールズ地方の炭鉱の町を舞台に、ええと、要するに、一家離散のオハナシですね(←その安っぽい言い方やめなさいっての)。一家の様子、町の人々の様子、さまざまな事件が、一家の末っ子の少年の目を通して描かれていくのですが、その見事な繊細さ。内容的には全然関係ないけど、中勘助の『銀の匙』をどこか思い出させるものがあります。炭鉱の町らしい、煙を吐く煙突群の幾何学的な面白さと、炭鉱の中の厳しさ。自然の美しさと冬の寒さの厳しさ。人々の交流と反目。これらが何ともノスタルジックに描かれ、どこまでも引き込まれていきます。上記のように、結局は一家がバラバラになっていってしまうのですが、そこに浮かび上がってくるのはむしろ、人と人との「絆」。映画が、悲しさよりもむしろ懐かしさをもって描かれていくのが、かえって感動を呼びます。神々しくすらある映画でした。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-04-28 21:57:22)(良:1票)
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