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ニコラス・ケイジ演じる主人公は、かつて部下を失い、心も体も「壊れかけた」男。これを強調するように、耳の負傷が何度も何度もカメラに捉えられます。一方、日本軍にまだ破られていない暗号を駆使するナバホ族出身の通信兵。こちらは若く溌剌としていて、主人公と対照的。この二人の交流が描かれる訳ですが、通信兵の方は、いわば暗号通信のための「道具」に過ぎない面を持っている。というところで、若き通信兵とつかず離れず、ヨレヨレでダメダメで何やら訳アリの過去を持ってそうな影を見せるのが、ニコラス・ケイジの持ち味。突然妙なニホンゴを使って見せるのが、いかにも訳アリ感を感じさせますな。・・・というあたりまでは、結構なのですが、・・・本作、どうもピンと来ないのです。敵である日本兵との戦いの描写、爆発をひたすら炎で表現するのは安いアクション映画でアリガチですが、ここまで徹底すると確かに壮観、ただしその戦いにあまりドラマが無い。で、その結果どうなるかというと、主人公と通信兵の間に亀裂が入った時、ジョン・ウーは「待ってました」とばかり、そこに「男と男の対決」を描こうとするんですね。しかし本当に二人が対決するようなオハナシには脚本が書かれていないので、一瞬の場違いな盛り上がり、に終わってしまう。結局、背景に追いやられてしまう日本兵こそ哀れ。妙な作品でした。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-07-23 23:48:37)(良:1票)
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