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この作品が何故これほど、ツラく哀しいのか、それは、歴史に使い捨てされる、消耗品としての人間、その最後の静かな、しかし精一杯の生のアガキがここにあるから。戦時下で死んでいった者がいれば、死にそびれた者もいる。一方では彼らをヨソに、新しい世界が始まりつつある。「死にそびれた」主人公は、若くしてすでに年老いているようにも見える。虚しい殺人。死体を見下ろす花火。せめてあのように華やかに散ることができればよいのだが・・・。ひとつの時代の終焉を描き、時に見せる、すべてを透視するような冷徹なカメラの視線が、なんともコワイ。そう、これはコワイ映画だ。
【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2007-11-22 07:34:51)
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