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《ネタバレ》 主人公の男がこれまでの経緯を録音機に「告白」する、という体裁なので、映画全編に彼の独白が散りばめられており、少々煩わしい気がしない訳では無いんですが、要するに「これは一人称の物語なのだ」、ということなんでしょうか。ハードボイルドらしい乾いた印象には、確かに繋がっています。
もう一つ。殺人シーンを敢えて画面外で描くのはいいとしても、その後の死体処理のシーンまで、死体をあまりはっきりと写さないのは、映画の時代背景もあるのかも知れないけれど、いかにも無難な感じがして、ちょっと迫力不足、とでもいいますか。でもこのシーン、いや~な雰囲気はよく出てるし、クルマのエンジンが掛からない、なんていう描写のイジワルさも効果的。 誰が何を考えているのか、それとも何も考えていないのか。エドワード・G・ロビンソン演じる、一番わかりやすそうなオッサンが、一番煮ても焼いても食えないような存在で、暗い作品の中にユーモアをもたらしています。 途中、BGMがなぜか未完成交響曲になったりするのは少し違和感もあるけれど(それと同時に、意味も無く『素晴らしき日曜日』を思い出したりも)、ミクロス・ローザの音楽、この先の展開を暗示するように和声を切り替えたりするあたりは、オペラ的でもあり、なかなか聞かせます。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2020-06-01 20:42:07)(良:1票)
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