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映画賛歌のようでもありながら、ニューヨーカーのウディ・アレンによるハリウッド批判も含んでいるようでもあり、なかなか一筋縄にはいきません。
舞台は恐慌下のアメリカ。主人公の女性、仕事はつまらないし(本人のやる気が無さすぎるのも問題だけどそこはご愛敬)、夫は暴力を振るうし、そんな冴えない日常の中で、楽しみは映画を観に行くこと。現実とは違い、映画には、夢が、希望が、ステキな世界が溢れてる。それどころか何と、映画のスクリーンから憧れのスターが飛び出しきて一騒動が持ち上がる、というオハナシですが、要するにコレ、映画がスクリーンの向こうにとどまらず、現実世界にまで夢や希望を押し売りしてくるオハナシでもあるんですね。映画を観終わってしまったら、また厳しい現実に戻るしかないのに。 主人公の女性は、夢が現実になったと感じ、ついにこの幸せとは言えない生活から離れることができると感じる。しかしそういったものすべては、ひと時の幻影に過ぎない。それはあたかも、映画を観ている束の間だけ信じることができた、夢や希望。それに所詮そんなものは、ハリウッドのシステムの中では単なる商売道具だったりもする。 でも、それでもいいじゃないの、つかの間でもつらい現実を忘れて夢を見られるならば。だからみんな、映画を観るんだ、と。 あーーーーなんてイヤな映画でしょうね、これは(笑)。ホントはそんな事も含めて、忘れてしまいたいのにね!! 【鱗歌】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2017-01-11 22:30:53)
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