| 作品情報
レビュー情報
「総監修:マキノ雅広 」とか「特別協力:宮川一夫 」とかいうのが、いかにも名義貸しみたいな胡散臭さを感じちゃうんですけど、いや、そういうの抜きに、面白いからいいではないですか。作品に満ちているのはコレ、胡散臭さではなく、オッサン臭さ。ふんだんに登場する長回しの中で、オッサン俳優たちが、思う存分に演技をぶつけ合いながら、浪人の鬱屈を繰り広げる。そしてそれが、クライマックスにおいて焦点を結び、刀を山のように挿した原田芳雄の姿を目にしたとき、やっぱり感動せずにはおれないのです。消耗品としての“浪人たち”ではなく、オッサンたちひとりひとりのカラーがしっかり色分けされていて、原田芳雄はもちろんの事、石橋蓮司もいい、勝新もいい、田中邦衛は…こりゃどうなんでしょうね。前半の真夏の暑さから、後半の大風に至る季節の移り変わりの中、彼岸花が咲き続けているのが「なんでやねん」ってなところですが、物語のすべてをひっそりと見守り続けてきたのがこの、彼岸花、という訳で。
【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2015-04-12 08:54:41)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
|