ロスト・イン・トランスレーション の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > ロ行
 > ロスト・イン・トランスレーション
 > 鱗歌さんのレビュー
ロスト・イン・トランスレーション の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 ロスト・イン・トランスレーション
製作国,
上映時間102分
劇場公開日 2004-04-17
ジャンルドラマ,コメディ,ロマンス
レビュー情報
ビル・マーレイってこんなにデカい人だったんだね~。大きな図体で、飄々としていて。どこまで本気なのかわからない軽口をたたいて見せるけれど、でも決して陽気というわけじゃない。むしろどこか寂しげ。
この人、普段からこんな感じなのかなー。出演する人みな、そんな風に「素」を感じさせるものがあって(あ、藤井隆以外、ね)、映画自体に、作り込み過ぎない、即興的な印象があります。映画は、新しいもの古いもの何でもゴチャマゼになった街、東京を、さまざまな面から切り取り、そっけない感じで並べてみせる。その中で、物語の中心となる男と女も、何となく揺らいでいて、遠くアメリカにいる妻子、自分よりも仕事に夢中の夫、そして言葉の通じない、目新しく奇妙な、今の自分を取り巻く環境、それらに対し、微妙な距離感を感じている。どうしても映画で描写される日本がデフォルメされてしまう部分はありますが、主人公の受ける「印象」というものを映像に反映させて描くとなれば、これは要するに「主人公には、こう、見えた」ということなんでしょう。その描写とて飾らない素っ気なさがあり、一方でビル・マーレイのトボけた味わいがあり、そこから生まれるユーモアが、この作品の大きな魅力になってます。
何でもゴチャマゼ、何でもアリアリの、この日本という国は、主人公の前に様々な側面を見せ、それがしばしば主人公の揺らぐ気持ちとも呼応する。そのたゆたいが、何だか、心地いい。やっぱり、日本に生まれ育った我々って、結構、貴重な経験してるんじゃないのかなあ、なんて。
鱗歌さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-10-07 14:52:15)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-02-02ボヘミアン・ラプソディ7レビュー7.40点
2025-01-26スキン・ゲーム7レビュー6.50点
2025-01-26剣鬼8レビュー7.25点
2025-01-13富士山頂(1970)6レビュー6.91点
2025-01-12裸の拍車9レビュー7.11点
2025-01-12パッセンジャー576レビュー5.75点
2024-12-29ある兵士の賭け6レビュー6.75点
2024-12-22逢びき8レビュー8.04点
2024-12-21心の指紋8レビュー6.36点
2024-12-15クイック&デッド8レビュー5.47点
ロスト・イン・トランスレーションのレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS