盲獣 の 鱗歌 さんのクチコミ・感想

Menu
 > 作品
 > モ行
 > 盲獣
 > 鱗歌さんのレビュー
盲獣 の 鱗歌 さんのクチコミ・感想
作品情報
タイトル名 盲獣
製作国
上映時間84分
劇場公開日 1969-01-25
ジャンルドラマ,サスペンス,小説の映画化,エロティック
レビュー情報
乱歩自身、“吐き気を催すほど”と言ったという『盲獣』、その盲獣のオハナシかと思いきや、何と、モンスターペアレンツのオハナシでしたとさ。そんでもって、怖いおっかさんと、怖い憧れの女性との間に板ばさみになった、ダメ男のオハナシでしたとさ。変態映画のように見せつつ、この辺り(映画の前半)は、妙に現実的で身につまされる部分もあります。目の見えない変態男が、女性を誘拐してきて、ヘンテコなオブジェで満たされた倉庫に監禁、彼女をモデルに「触覚の芸術」を作り上げようとする、という変態的なストーリーの中において、彼をサポートするおっかさんの、旧時代的かつ健康的な姿がかえってアブノーマル。変態の中においては、正常こそが変態とも言えますナア。ところで、船越演じる変態男、粘土コネコネしながら、「いままでにない彫刻ができそうなんだ~」とか、しきりに彫刻、彫刻、って言ってますけど、アナタが作っているソレは、「彫刻」じゃなくって「塑像」ではないでしょうか。ま、それはさておき、映画後半は、変態というより退廃路線を暴走していっちゃいますが、だんだんおかしくなっていく主人公の女性の姿に対し、妙に淡々とした彼女の独白が重なり、「アンタ、冷静なのか忘我状態なのか、どっちなんだよ。そもそもこのナレーションって必要なの?」と思っちゃうのだけど、しかし一方で、この異常な映像と淡々としたナレーションのミスマッチが、不気味さを醸し出しているのも事実。この淡々としたナレーション、お昼のワイドショーの「あなたの知らない世界」の再現VTRを思い出させます。ああコワ。
鱗歌さん [DVD(邦画)] 8点(2010-03-24 22:17:03)
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-02-08拝啓総理大臣様7レビュー4.75点
2025-02-02ボヘミアン・ラプソディ7レビュー7.40点
2025-01-26スキン・ゲーム7レビュー6.50点
2025-01-26剣鬼8レビュー7.25点
2025-01-13富士山頂(1970)6レビュー6.91点
2025-01-12裸の拍車9レビュー7.11点
2025-01-12パッセンジャー576レビュー5.75点
2024-12-29ある兵士の賭け6レビュー6.75点
2024-12-22逢びき8レビュー8.04点
2024-12-21心の指紋8レビュー6.36点
盲獣のレビュー一覧を見る


© 1997 JTNEWS