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《ネタバレ》 正直、観る前は良作を期待していなかったのですが、実際に観たら思った以上の出来となっていて、とても良かったです。基本的な物語は大林版のその後のような感じに取れます(もちろん別の物語ですが)。 弓道シーンとかラストシーン近くの深町とすれ違うシーンとか大林版にオマージュを捧げています。 その上に声はアニメ版の主役の真琴の声の仲里依紗なので 彼女が明るく振舞い笑う所は細田版の真琴の感じにも見えて嬉しくなります。 1970年代の雰囲気を丁寧に再現していて、『あの時代』感は概ね出していると思いました。まぁ母親の芳山和子がタイムリープの薬を作り出してしまうトンデモ展開やタイムリープ・シーンの微妙なショボさ、西暦2600年の世界のチープさとか諸々、引っ掛る所はありましたけど些細なレベルとは思います。仲里依紗が『大人の女性の役は今後も出来るけど、学生の役は今しか演じられない』と語るように彼女の今しか出ない輝きをこの映画は見事にパッケージングしてるので実に魅力的・・相手役の中尾明慶の素朴な映画青年の役は見事にハマっていて、現代風のややアクのある女の子が彼の存在感のお陰で、いい具合に中和され異色カップル感が見ていて微笑ましいものになっていました。終盤では母・和子の想い人、深町との再会は大林版を観た立場ですとグッときますが娘のあかりは悲劇的な現実に向き合います。歴史を変えてはいけないどうしようもない無力感のまま、あかりの記憶を消されるシーンは切なさこの上無し、そういう残酷な現実をキレイ事でお茶を濁さず描いたのは好感持てます。そして『映画』との再会に導かれた『約束』の桜道のラストの切なさと爽やかさが入り混じった余韻は素晴らしい・・かなり健闘していると思います!
【まりん】さん [映画館(邦画)] 8点(2010-03-13 20:18:48)(良:1票)
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