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派手な戦闘シーンこそありませんが、切々と訴える見事な反戦映画です。冒頭、ドイツ軍戦闘機の攻撃により両親を失い孤児となる少女ポーレット。少年ミシェルと出会い、のどかな農村にある彼の家屋で束の間の一時を過ごす。しかしここでも大人達は、隣家なのに憎しみ合い小さな戦争をしている。子供達が出来るのは、十字架を立て死んだものへお祈りを捧げるという“禁じられた遊び”だけ。やがて引き裂かれる身となる二人。出会いと別れ。視点を変えて見ると、切ない初恋の映画ともいえます。そして、涙なしでは見られない有名なラストシーン。ナルシソ・イエペスの哀切溢れるギターと共に、ポーレットの悲しい運命をも想像させてしまう。“戦争”という二文字が罪のない人間の命を奪うだけではなく、残された子供達の人生をも奪ってしまう。一度起こしたら最後、取り返しのつかない結果をもたらすということを名匠ルネ・クレマンは見事描き切っている。文句なしの10点満点。
【光りやまねこ】さん 10点(2003-03-07 18:33:09)(良:1票)
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