| 作品情報
レビュー情報
《ネタバレ》 想像以上に感動的な友情の物語だった。
乗客27人だけのアンデス山脈遭難は、まるで医師のいない野戦病院。悲惨な現場だ。見渡す限りの雪山、-40℃の極寒、食糧なし防寒具なし無線なしの中、普通なら自己中な奴がいたり争いがあったり、泣き叫んだり狂ったりで、とてもじゃないけど無理。それが70日間続いたという。当人たちにとってはそれがいつまで続くかなんて分かっていないのだから、もう絶望しかないと思う。 しかし彼らはラグビーのチームメイト、上手く統率を取りとにかく救助が来るまでサバイバルで生き延びる、という話かと思っていた。それだけでも十分すごいと思う。過酷な決断をし、仲間が一人ずつ減ってゆくことに耐え、生命の危うさを思い知る。 更に彼らはカトリック系の学生だったから、神の存在を道標とする。そこで力尽き死にゆく者にも、奇跡的に回復して命拾いする者にも、神は同じように現れる、と考える。生も死も 思し召し と思うかのように。 友人を思う気持ちが自然で美しく、その強い友情で耐えきるというだけでも十分な見せ場なのだが、なかでも勇気ある者がアンデス山脈を越えて自力で救助を要請するという、とんでもなく感動的なラストだった。それはちょっと凄すぎる。想像を大きく超えたノンフィクションサバイバル。 ほんと、生きてこそ、だ。邦題が素晴らしい。 【ちゃか】さん [インターネット(字幕)] 9点(2025-02-28 14:18:46)《新規》
ちゃか さんの 最近のクチコミ・感想
|