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《ネタバレ》 中学生の頃 初めて見たときは「なんだこのオチ!ひでえ映画だなあ!」と思ってました。が、最近になって見返してみて、「これはこれでいいじゃなかろうか」と思うようになりました。これって、要はデヴィッド・フィンチャーにとっての「映画観」(もしくは「映画論」)なんじゃないか、と感じたからです。「ゲーム」に翻弄される側である主人公の男だって結局はニセモノ。マイケル・ダグラスが演じる、「映画」という名のゲームに参加した我々観客を騙す仕掛人なワケです。銃撃戦はあくまで弾着を仕込んでいるから実弾は使わないし、車で海に落ちるシーンは実際にはスタジオ内のプールでしょう。プロのダイバーが安全のために待機してるはずだから、死ぬわけないと(笑)。クライマックスのオチも、「フィクションであるゲームや映画せいで、現実の人が死んではならない」と監督が思うからこそ、あんなトンデモ展開になったのではないでしょうか。主人公と観客がホントに無理心中させられる映画なんてたまったモンじゃないですからね。観客に嘘だと気付かれないことが優れたフィクションなのだろうと思います。だからこの映画のツッコミ所を挙げていけば「優れたフィクション」とは言えない作品なのかもしれません。しかし、現実とフィクションを混同するな、あくまでこれはゲーム(映画)なんだ、と警告しているようにも感じられました。そういう意味ではかなり意地悪な映画ですね。
【ゆうろう】さん [DVD(字幕)] 7点(2002-03-14 23:07:13)
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