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(長文で失礼します) ティム・バートン版、特に「リターンズ」に於いて究極の完成形を見せてしまった世界観をご破算にして(後の2作で既に壊されてはいましたが…)、カリカチュアではなく、ほとんどそのままのニューヨーク・シティをゴッサム・シティに見立てたり、狂気を感じさせないクワイ=ガン・ジン(本作での名前は難しくて憶えられん)を敵にしたりすることで、製作サイドはリアリティが増すとでも思ったんでしょうか? だとしたら効果は丸っきり逆。人間の感情の中の一部分を肥大化させたフリーキーな登場人物達が、欲望という闇に覆われた大都会で悲喜劇を演ずるのが「バットマン」の「バットマン」たる所以であり、そこに人間のリアリティがあった筈。一番酷いと思ったのは、バットマンは人を殺さないという「トリプルX」みたいなヤワな設定。彼はお子様ヒーローじゃなくて非情なアヴェンジャーなのに…(悲)。因みに私、本作はIMAXバージョンで鑑賞したので流石に迫力は満点でしたけど、とてもクリストファー・ノーランが監督したとは思えない激しいカット割の所為で雰囲気もブチ壊し。ガン=カタで鍛えたクリスチャン・ベールの殺陣は、もっとちゃんと見たかったです。という訳で、やけに豪華だった俳優陣に5点献上。
【sayzin】さん [映画館(字幕)] 5点(2005-08-03 00:11:09)(良:1票)
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