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ネルは自然児や狼少女などではありません。人間である実の母親に育てられ、家屋に住み、衣服を身に着け、家事を行い、言語を操り、そしてクリスチャンでもある「普通の」成人女性です。本作の主題は“innocence”であり、それに触れることによって得られる魂の浄化。それを描くにはどうしてもこの設定が必要だったし、“innocence”を目の当たりにすると“idiot”に見えてしまうという辺りに、心の澱んだ我々現代人への皮肉も込められていたのだと思う。しかし物語を余りにもネル中心に進めてしまった為、その主題がぼやけてしまった。視点をもっと主人公の男女二人に絞り、彼らの物語を語るべきだった。彼らこそが我々を代表しているのであって、そこにこそ共感があるのです。これは中々惜しい仕上がりでした、6点献上。
【sayzin】さん 6点(2004-09-24 16:12:11)(良:1票)
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