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《ネタバレ》 まず、序盤のスローモーなペースに眠りを誘われました。
なんか不自然なんですよ。怖がらせるつもりかと思ったら全く怖くないし、意味なくダラダラと流しているのに、状況がわかるような説明がぜんぜんない。 実は、それらのシーンが生きるのは最後まで観終わってから。 「ああ、そーゆう事だったのか」と、ホロ苦く哀しい気持ちを味わってから冒頭のシーンを思い出すと(つーか、思い出さざるを得ない。謎をいっぱい謎のまま放り出してあるから、みんな観終わったあとに色々検証しちゃうのだ)、よりいっそう哀しいお話に感じるようになっている。 そうなると、中盤の停滞や諸々の不満も「まあ、いいか」と思え、「そう悪くない映画だったな」という所に落ち着くのだった。(「シックス・センスかよ!」と叫びたい気持ちがないではないが。) 思ったのだが、スミが「箪笥を処分して」と言ってるのに「その話はすんだ」とか言って処分しない父親はオカシイ。妻と娘が箪笥ん中で死んだんだろ!スミに本当に治って欲しかったなら、絶対に処分していたはず。すなわち、この父親は、スミに治ってもらいたくなかったのだ。 彼は、父の妻役をやりたいという願望をもつ娘スミ(だからこそ、スミは狂った中で継母の人格を持った)を疎んじていたのではないのか?ならば、首をつった実母がスミの前に恨みの姿を見せたのも理解できる。母と娘は父をはさんでの恋敵同士だったのだ。また、ベッドの中で抱き合うスミとスヨンのシーンが、まるで恋人同士の時のようなカメラワークで撮られていたのも、スミの近親相姦的願望を暗示していたのか?と、深読みする事もできる。でも深読みかもしれない。 しかしなぁ。たった一人のサエナイ男(父親)をはさんで、超気の強い女が三人ぶつかりあっていたわけか。そりゃー呪怨になっちゃうのも無理はない。スヨンだけが澄んだ存在だが、それも幽霊になるとオソロシイ外見になっちゃうわけで、かわいそうだなぁ。 にしても、韓国の箪笥って洋風でオシャレですね。私の思い描いてたホラーな箪笥は、やっぱり桐で出来ている日本製、引き出し式がこわいと思う。 【りりらっち】さん 6点(2004-10-26 22:15:44)
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