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《ネタバレ》 どこにでもある幸福な一家の一員だった主人公。それらが徐々に、淡々と、だが確実にジワジワと暗い運命の方向へ流されていくのが見ていてつらかった。そして家族との別れ。列車に荷物のように詰め込まれて虐殺の旅に出た家族から、一人取り残された主人公の絶望と孤独。これが現実にあったのだと思ったとき、あまりの残酷さに思わず号泣‥(一人で見てよかった)。その後の、アンネのように主人公が隠れ住むあたりから、ようやく彼に焦点が集まり、感情移入できるようになった。彼がピアニストだった事はあまり意識せず(重要には感じなかった。なぜか?監督の意図?)、それからの彼の生き抜く過程に「私だったら同じ事をするだろう」と、強く感情移入をして見た。しかし、ラストで思ったのは、やはり彼は神様に愛されたから生き残れたのではないだろうか?という事。彼がというより、彼のピアノが、か。そう受け取れるようなラストシーンになっていたと思う。そうでなく、一人のピアニストの一生を描くつもりだったなら、彼の幼少のころピアノの才能を発揮するシーンから始めるのではないかなぁ。「神様に愛されたピアニストは戦場で生き残った。」そんな風にテーマを感じて、ちょっとだけ胸がモヤモヤ。
【りりらっち】さん 8点(2003-12-22 02:23:46)
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